内容説明
懐かしいと感じる方もいらっしゃるだろうが、いざページを開けばその新鮮さにガーンとなり、2ページ目には転がるようにあなたはのめり込んでいるだろう。1990年代に産声をあげ、さまざまな変化を遂げながら闇を生き続けてきた怪談『「超」怖い話』。その原点を生み出した安藤君平が、ついにここに帰ってきた。もはや幻となったシリーズ第1巻収録の23本を完全再録、さらに本書のために書き下ろした新作14本を加え、新たな傑作として21世紀に降臨する。もはや言うまでもないが、すべて実話である。淡々と日常の出来事のように恐怖を紡ぐ著者の語り口はとてもクールだ。だからこんなにも怖いのである。
目次
イボの花が咲く
夢枕に立つ
廃屋と竹やぶ
マリア様のミイラ
開かずの離れの人形奇談
あなたの子供になって、生まれたい…
生まれ変わってこい!
不思議な子供
カラスを呼ぶ少年
人はひとりじゃない…〔ほか〕
著者等紹介
安藤君平[アンドウクンペイ]
1963年名古屋生。早稲田大学教育学部卒業。広告代理店勤務をへて、フリーライター兼ゲームプランナーに。勁文社『「超」怖い話』執筆後、紆余曲折をへて、携帯電話のコンテンツ・プロバイダー会社の設立に参加。多数の携帯電話ゲームをプロデュースする。その後、独立。現在は、デジタル・コンテンツの企画・制作、ビジネス・システムの開発を主要業務とする、株式会社ニックナック・代表取締役(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
126
90年代出版の本に新作を加えた一冊という事で何処か懐かしいノスタルジックな風情を感じますね。3人で写真を撮った真ん中の人が一番早死にするという話は誰もが知っているポピュラーな言い伝えですよね。本書には幽霊かと思ったら、ああ勘違いという引っ掛けと肩すかしのネタもありますが、怖い話にお腹一杯満腹した後のいい息抜きにもなっていますよね。幽霊のお陰で喫茶店が商売繁盛するという中々にポジティヴな話もありますね。『帰ってこない』は家に来る男を手錠で拘束して監禁する魔性の女の話ですが逃げるだけの語り手は駄目な奴ですね。2020/04/01
ヒロくま
25
ダンボール箱からもういっちょう。不思議だなーっと思える優しめの怪談話が多かったように思います。語り手のカラーで本当に違っていて奥が深い。短めの怖い話は友達同士の噂話みたいで面白い。2017/05/05
キー
8
1991年に刊行された勁文社版『「超』怖い話」第一作目の再編集版。2005年刊行。 一番印象的だった怪談は、本の序盤に配置された、安藤氏の少年時代の不思議体験を描く「廃屋と竹やぶ」。 不思議現象が起きる廃屋と、隣り合った竹やぶ。竹やぶの中には小さな祠があって、というイメージが美しいです。 ラストに収録された「大榎木の話」も安藤氏の少年時代を描いていますが、これが、安藤氏の故郷の歴史に触れているので、これを読むと「廃屋と竹やぶ」が更に不思議な話に思える、という構成も美しいです。2021/01/20
いきもの
3
過多な描写もなく、素朴な本当っぽさがある。あんまり怖くはないけれど。2018/05/19
No.7
2
不思議だなー系のオチが多かったので良かったです。2015/12/10