内容説明
海の匂いのする部屋に集う異形の者たち、人を喰う石に、霊を視る犬。壁に浮かぶ呪いの顔文字から、魂を移す泥人形まで…。次から次へと紡がれる不気味な話はどれも怖さとともに不思議な魔力を秘めている。その一文字一文字に魂が引きずり込まれる、とり込まれるのである。もしかしたら霊はその話の中で生きて、あなたを狙っているのかもしれない。怪談を愛してやまぬジャンキー諸君へ贈る、異界への招待状。
目次
二組
婆首階段
ずらり
なわとび
ぞろぞろ出てくる
霧
八重洲にて
小出のオジ
臭くて柔らかいもの
登山〔ほか〕
著者等紹介
平山夢明[ヒラヤマユメアキ]
1961年神奈川県生まれ。映画・ビデオの批評・制作から、CFの企画、インタビュー、ルポ、自動販売機の営業、コンビニの店長と、様々な職歴を重ね、現在は生理的に嫌な話を書かせたら日本で三指に入る小説家にして、日本でいちばん陽気な怪談コレクター
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
緋莢
26
『新耳袋』、『九十九怪談』よりは少し長めの話が収録されています。「あの雲」、受験会場の保護者待合室に雲が立ち込めていたというのがあり、「前に似たような話を書いてたでしょう。コミケに行ったら会場の天井にオタク雲が浮いてたって奴。」とあり、コミケの方は怪談じゃないよな・・・と思わず笑ってしまいました。「蟻沼」、「傀儡」、「キューピッド使い」、「とばっちり」、「鬼婆」、「心のこり」が印象に残りました。2018/06/03
hannahhannah
18
ギリシャ文字シリーズ第四弾。まえがきで、平山夢明の事務所の隣室から出火、忘備録や資料がおじゃんになったようだ。「小出のオジ」は幽霊より人間たちの性格の悪さが凄い。「臭くて柔らかいもの」の溺死体の描写は平山さんならでは。「蟻沼」はあり得ないくらいの大量の蟻が登場。軍隊蟻を思い出した。「生熊」は東京伝説を思わせるようなサイコっぽいオカルト。女人禁制の日に山に入ったら駄目だな。「守護霊様萌え~」は加藤一による話だろう。ヲタクという言葉が出て来ていた。「泥酔者」は変質者が幽霊になってもまとわりついてくる迷惑な話。2017/05/06
Spok
7
平山先生、今回もまえがきから面白かった。ヒョン、タロじ、とばっちりが良かった。2018/03/07
鬼神ザビエル
7
今回のお気に入りは、小出のオジ。ヒョン。でした!2016/01/08
☆kubo
6
「生熊」「キューピッド使い」「守護霊様萌え〜」「合わせ鏡」「タロじ」かな。タロじはおぉーってなった。確かにそう見えるかも。2021/09/03