内容説明
著者が大学時代の先輩から聞いた世にも怖ろしい話…。田舎町を訪れた大学教授をたずねてきた地元の名士。話を聞いて欲しいという彼は「その話を他人にした者は、必ず死ぬ」という、生家に伝わる秘密を語り始めた…。伝説の恐怖譚『緑の館』をはじめ、新作9話を含む全13話。
目次
第1章 緑の館
第2章 取材で起こった怖い話(「見つけて!」;台湾の心霊)
第3章 不吉な思い出(行商人;提灯と人魂 ほか)
第4章 霊たちの終わりなき崇り(ふたりの子供;もうひとつの事件)
第5章 お葬式のできごと(恐怖のサウナ風呂;葬式の仕出し屋さんの話 ほか)
著者等紹介
稲川淳二[イナガワジュンジ]
本名・稲川良彦。1947年8月2日、東京都渋谷区恵比寿生まれ。桑沢デザイン事務所研究科を経て、工業デザイナーとして活動、その後芸能界に。数々の恐怖体験から心霊スペシャリストとして知られる。その語りはもはや芸術とも言われ、熱狂的なファンも多い。毎年、全国で怪談ライブを行っているほか、著作業、ビデオ、映画の監督、舞台演出など、多方面にて活躍中
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感想・レビュー
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夢追人009
154
稲川淳二さんは本当に怪談語りのプロフェッショナルだなと心から思いますね。擬音の繰り返しで恐怖を盛り上げる技には独特な物がありますし、あらゆる種類の怪異を語り尽くす真の天才と呼べる方ですね。静かながら鮮やかな技巧が冴える一編。『遺影は訴えていた』ある町のサラリーマンが車の事故で亡くなって葬儀のお通夜となり係の人が故人の写真を祭壇に飾ると何故だか額が動いて傾いてしまう。何とか額を替えて事なきを得たが後にその写真で思わぬ問題が起きる。故人と奥さんと別の男の3人がニッコリと笑う写真を遺影に使おうと写真屋に預ける。2020/11/12
akatuki
2
とても怖いと思じる話はなかったが、人間の怨念は死んでも残り続けるのかと思うと恐ろしく思えた。2014/10/16