内容説明
突然、拉致され得体の知れないモノを食わされる。堕胎した胎児の頭が喋り出す。代々桜で首を吊り続ける一族に、行列ラーメン店の恐るべき隠し味。今、想像を絶する恐怖と狂気があなたのそばで起きている。息を潜めてあなたの背後を狙っている。恐怖との遭遇にもはや霊感は不要となった。ただ生きればいい、それこそが究極のホラー体験たりうるのだ。「超」恐い話の著者が当事者からじかに聞き集めた最上級の怪奇譚。本当に恐い…ハズレなしである。
目次
もう誰も守ってくれない…
桜
花見
闇鍋
リフレイン
芋けんぴ
たっちゃん
カンダダらーめん
夏の想ひ出
DV
善意
ウェス
特殊班
キチキチキチキチキチ
バイト
際に出会う
バルンガ
デリの女
正夢
不審者
シャンプー
頭皮愛
山椒魚
新築
パノラマ島
ポルシェ
ワイフ爆発
フルチン
橋
乗り過ごして
深夜の訪れ
盗ケイ&尾ケイ
ベンツな名前
サエコ
ツァラトゥストラはかく謀りき
大変に大変に悪い落札者です
慚愧噬臍(ぜいせい)
ある食い倒れの死
香港奇譚
キャンプ
怪我
ゴミ
著者等紹介
平山夢明[ヒラヤマユメアキ]
1961年神奈川県生まれ。映画、ビデオの批評、製作からCFの企画、インタビュー、ルポ、自動販売機の営業、コンビニの店長と、様々な職歴を重ね、現在は生理的に嫌な話を書かせたら日本で三指に入る小説家にして、日本でいちばん陽気な怪談ライター
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
279
東京伝説シリーズの4冊目ですね。平山さんは現代社会の悲惨な実態を描きながら犠牲者を泣き寝入りさせずに何らかのケジメをつけて最後に読者を納得させるドラマを読ませてくれますね。些かえげつなくおぞましいブラックな表現ですが、そこを厭わずに著者の真意を理解すれば人の情がじんわりと心に沁みてきますよ。『たっちゃん』大学の頃に久保田が勤めていたのは中堅のコンビニで、店長は銀行員からの脱サラ五十男でサービス業に不向きな不愛想な奴だった。店の売り上げに陰りが見え始めた頃ロスと呼ばれる廃棄品を夜中にホームレスが取りに来た。2021/07/08
いしかわ
36
'乾いた街の〜'よりも私的にはコチラのほうが好み。相変わらず気持ちが悪いんだけど、気持ちが悪い種類が違うというか。でも平山夢明は、長編の方が味が濃くて私は好き。こう何度も何度も心を踏みつけられるような短編集は、狂気が爆発していて流石に受け入れられない。2015/10/09
hannahhannah
17
東京伝説シリーズ第四弾。「闇鍋」や「芋けんぴ」、「バルンガ」と強烈な話が続く。今回、女が変質者に襲われる話はないのかと思っていたら、中ほどからそんな感じの話が何話も出てきた。「乗り過ごして」って本当に平成の話なのかね?凶悪犯罪が多発していた昭和だったら起きてそうな凶悪な話だけど。フランスのトーチャーホラーを彷彿させる内容。感動作の「ゴミ」で終わり。ストーカーというと男性ばかりのイメージがあるが、実際は半々。男性が被害者だと被害届を出さないことが多いから事件になりにくい。2017/01/11
猫丸
11
体験談の採集、という形式であるがゆえに、災難に遭った人が生還することは約束されている。でないと取材に応じられないものね。そこに少しの救いがある。2021/08/23
はーこ
11
下痢した地蔵のような顔って(笑)狂気な話ばかりのはずなのに過ぎたことはたんたんと話していくものなんだなー。その冷めっぷりもこのシリーズの良いとこな気がする。2015/11/01
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- 和書
- 不法行為法研究 〈1〉