内容説明
今から20年前、中国、東北部。心優しく芯の強い7歳の少女・スーティエン。決して裕福ではないが音楽教師の父、しっかり者の母、家族思いの兄、食いしん坊の弟、かわいい盛りの妹に囲まれてとても幸福に暮らしていた。「心に音楽があればどんなときも決してつらくはない」。父のその言葉どおり、一家にはいつも音楽が溢れていた。そう、不慮の事故で両親が死んでしまうまでは…。幼くして一家の長となった兄はただひたすら頭を下げ、弟や妹の里親を探した。別れの日、兄は家族写真を一枚ずつわたしてこう言った。「大きくなったら一緒になれる」。そしてみんなばらばらになったのだ…。決して絶えることのない家族の絆といつまでも変わらない兄弟の愛情を描いた涙の傑作。