内容説明
本講座は、わたしたち一人ひとりの生き方を、地球的な視野をもって問いなおしていこうとするものである。食の問題は優れて統合的な問題であって、一義的で絶対的な解答などない。本巻の各章では、「食はかくあるべきだ」と、それぞれ個別のシナリオを描いてとりくんでいる。
目次
食生活環境論にかえて
第1部 食の思想(中国の食思想―想像を超えた食への情熱;朝鮮半島の食思想―儒教の倫理が生んだ食文化;近世日本の医食同源思想―本草書・養生論・食物観 ほか)
第2部 食と身体・世界観(ヒンドゥーにみる食の多様性―戒律と食;中東ムスリム社会の食のあり方―酒・豚・共食の思想と実践;東南アジアで考えた食―大文明圏のはざまで)
第3部 食と環境(破綻しそうな食生活―子どもたちからの発信;食の病理―心身医療からみた実状と背景;環境がもたらす食への負荷―化学物質にスポットライトをあてて考える ほか)
総合討論 食の倫理を問う