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内容説明
女性が身に纏うサリー、男性が頭に巻くターバン。布は身につけるだけではない。インド世界の布は、場をくぎり、人をつなぎ、神と人の媒介となり、政治をうごかし、グローバル経済をうみだす。インド社会をつくりだしている人びとの営みを多彩な布から迫る一冊。
目次
第1部 場をくぎり、人をつなぐ布(吉を招きいれる―戸口飾りトーラン;絞り染めの婚礼衣装―花嫁に贈る布 ほか)
第2部 神にとどく布(聖と俗―染色布で女神寺院をつくる;神と出会うために―礼拝儀礼布ピチュワーイー ほか)
第3部 政治をうごかす布(民族独立運動をつなげる―手紡ぎ手織り布カーディー;モーディー首相、サリーになる ほか)
第4部 布がうみだすグローバル経済(世界を魅了したファッション・アイテム―バンダナの誕生;アフリカを彩るインド産プリント布カンガ ほか)
著者等紹介
上羽陽子[ウエバヨウコ]
国立民族学博物館人類文明誌研究部准教授。専門は染織研究。インドを対象として、技術を習得しながら染織技術の変化について研究
金谷美和[カネタニミワ]
国際ファッション専門職大学国際ファッション学部准教授。専門は文化人類学。インドと日本を対象に布に関わる手仕事の継承、自然災害後の社会における手仕事の意義について研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takao
3
ふむ2023/04/30
noko
2
布からインドを考察した本。布の美しさを語る本ではなく、布文化の解説。日本の布の使い方は裁断したのを縫って使う。インドは切らない縫わないで一枚布を多用する文化。サリーもターバンもドーティ、ルンギーもそう。アジュラクという遊牧民の使う布は、多様な使い方があり、肩にかけている時は服の一部。野宿の時は夜具。荷物入れにも。地面に座る時は膝を縛るが、その方が長く座れるらしい。グジャラート州には女神儀式用の染色布がある。使用者は下層カーストの人々。彼らは不可触民とされ寺院に入れないので、住まいに祠を建て儀式をしてきた。2023/07/13
paxomnibus
2
女性のまとうサリーも男性が頭に巻くターバンも腰布であるルンギも全て一枚布を巻き付けたもの。荷物を包み背負い敷いたりかけたりも可能。薄く柔らかい古布は数枚重ねて刺し子布団。日本の着物や風呂敷にも通じるが、インドの布はとにかく長い!男女共、装飾的に襞を重ねて着用するのが美しい。キルトにも似てるかも。色にもそれぞれ意味があり、『RRR』でラーマが最後に身につけるオレンジはそもそも木々や寺院に掲げられるもの。冒頭でビームを包み炎から守る旗に書かれた文字の意味は「母なるインドに敬礼(ヴァンデー・マータラム)」だそう2023/03/24
in medio tutissimus ibis.
2
「躍動する」の名にたがわず、布を通した様々な方面からのインド世界の世相の移り変わりを覗える論考集。『基地を招き入れる』『空間を一変させる布建築』トーラナ? 『聖と俗』『神に出会うために』神は違うが同じ地方のイコンとして機能する布。『神にささげるキラキラ布』『女神の霊力』着せ替え人形っぽさもある女神への布供儀。『国民形成の象徴』国旗の法輪は手紡ぎ車を読み替えたもの。『変容する舞台衣装』野生動物保護で失業した蛇使いがダンスで成功。『インドの古典から世界の古典へ』伝統ってこうやってn創造されていくものなんだな。2022/03/10
の
2
用途は多岐にわたる。2021/12/07