内容説明
香辛料が世界を動かした!?「世界の三大料理」から読み解く歴史とは!?「食」は人間活動のもっとも基本的、根源的な要素です。それゆえ、人類の歴史は食をめぐって繰りひろげられてきたといっても過言ではありません。食文化研究や食の歴史研究の基礎的な知識を解説するとともに、食という視点から世界史を深く、幅広く考えてみましょう。
目次
人類史・世界史のなかの食
第1部 食文化へのいざない(ヨーロッパの食文化;ドイツの食文化;東アジア・東南アジアの食文化;日本の食文化)
第2部 食の歴史を考える(ヨーロッパの食の歴史―「つくる」という視点から;フランス料理の歴史―西洋の料理の代表として;日本料理の歴史)
第3部 食の視点で読み解く近代世界の幕開け(香辛料と近代世界の成立;食のグローバル化のはじまり―「コロンブスの交換」;工業化による食の変容―食からみた近代ヨーロッパ社会の成立(1)
都市化・科学化・国民国家の成立―食からみた近代ヨーロッパ社会の成立)
食の未来
著者等紹介
南直人[ミナミナオト]
立命館大学食マネジメント学部教授。1957年生まれ。専門は西洋史学、食文化研究。博士(文学)。京都橘大学文学部教授を経て、2018年4月より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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神奈川健一
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日本食とヨーロッパ料理(特にフランス料理)との違いが知りたくて、探したら出会った本です。大学の教科書として編集されているみたいで、知りたいことが決まっている人にはとても便利な本です。表題通り、現在我々が食べている料理が、どのような理由で成立していったかが簡潔に説明されています。日本食は米、魚、大豆で成立していて(さらに豚肉が利用されていないのも重要)、ヨーロッパ料理は、小麦、肉、乳製品によって成立している。これを知ると、外食もより一層楽しめますね。2024/03/01
コバ
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タイトルの通りヨーロッパとアジアの視点から食の歴史について書いてある。 前半ではざっくり食文化について概説してあり、特にドイツにいてが詳しい。 その国独特の料理というのは、その国の長い歴史の中で作られてきたものであり、意外と今我々が想像するような各国料理というのが確立されたのは最近だったりする。 食については過去を学ぶだけでなく未来に目を向けることも重要。この本でも結局明確な未来は提示されてないが、悲観的になりすぎず社会問題も含めた食の未来を考えてみたい。2021/12/30
Comics
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専門書として読み易かった。「ローマ帝国では、ローマ人は小麦・柑橘類・オリーブ油など植物食vsゲルマン人は狩猟による肉食」「箸食では、食材を小口に切って取りやすくする」など、当たり前のことに、改めて気付かされる。2021/07/18