内容説明
日本の風土が育んできた人と自然の絆。物質文明の負荷は今や地球規模で人為自然との関係への問い直しを迫っている。先人たちが自制心を持って守り伝えてきた「採集」という素朴な営みを見つめ直し、自然との共生の中に底流する民俗思想を捉え直すことこそ、地方再生の力となり、日本人の生き方や社会のあり方を問い直す端緒となろう。前著『生きもの民俗誌』と対をなす一冊。日本中を歩いた環境民俗学者の集大成。
目次
序章 採集民俗学びの視座
第1章 木の実(トチ;ナラ ほか)
第2章 根塊・鱗茎(ヤマイモ;トコロ ほか)
第3章 山菜・野草(ゼンマイ;山菜・野草の浄化力―シドケ・フキ・ヨモギ ほか)
第4章 茸
第5章 海岸と採集(イワノリ―能登輪島;ヒジキとマギ―熊野串本 ほか)
第6章 内陸小動物(サワガニ;ヒキガエル ほか)
終章 旅の終わりに
著者等紹介
野本寛一[ノモトカンイチ]
1937年静岡県に生まれる。1959年國學院大學文学部卒業。1988年文学博士(筑波大学)。2015年文化功労者。2017年瑞宝重光章。専攻は日本民俗学。現在、近畿大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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