内容説明
世界人口の4分の1強を占める南アジア。「貧困」「停滞」のイメージが過去のものとなり、「発展」や「新興国」といった新たなキーワードで語られるようになった。国際的に存在感を増すこの地域の全体像を捉えるため、最新の研究成果をわかりやすくまとめた入門書。
目次
地理―厳しい自然環境、急増する人口、変貌する都市
歴史―多様性社会の挑戦と葛藤の軌跡
宗教―さまざまな信仰が共存する南アジア
哲学・思想―現代に息づく伝統思想の世界
政治―多様な経路をたどる南アジアの民主主義
経済―人びとの生活の質を問う
産業―サービス産業の発展と工業の停滞
社会―多様な人びとが織りなす暮らし
ジェンダー―政治化される身体
教育―高まる教育熱の行方
文化―人々が日々生きている多様性
連環地域・世界―インドを“中心”にしない「地域」の切り取り方
南アジアと日本―イメージと現実の交錯
著者等紹介
石坂晋哉[イシザカシンヤ]
愛媛大学法文学部准教授。博士(地域研究)。専門は社会学
宇根義己[ウネヨシミ]
金沢大学人文学類准教授。博士(文学)。専門は人文地理学
舟橋健太[フナハシケンタ]
龍谷大学社会学部講師。博士(地域研究)。専門は文化人類学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ポルターガイスト
3
南アジア地誌の入門としてとても優秀だった。これ一冊あれば地理の授業数回分はできそう。たとえばカレーや映画,カースト制度の実像,環境問題,アパレルの闇,みたいな時事ネタとして欲しいところはほぼ全部カバーしてくれてるし,参考文献リストも豊富。文体はかなり平易で,ジャンルごとにソートされていて辞典としても使えそうだが,それぞれの専門家の得意分野の色もちゃんと出てると思う。このシリーズ集めたいけどそもそも完結してないみたい。続編求む。2023/07/15
Olga
1
南アジアについて、歴史や政治、経済、商業、社会、教育、文化、ジェンダーなど、多方面から語る入門書。参考図書のほか、興味を持った人へのおすすめの本も挙げられている。殺傷を厳格に禁じられているがゆえに、農業に関われないジャイナ教徒が商業で活躍しているということに驚きつつ、納得。2020/08/06