目次
第1部 イスラームの近代―知の伝統と変革(「伝統教育」の持続と変容―一九世紀オスマン帝国におけるマクタブとマドラサ;スーフィズムの知と実践の変容―エジプトの事例から)
第2部 一九世紀オスマン帝国の改革と展開―変容する知識空間と社会構造(オスマン帝国の新しい学校;ジャーナリズムの登場と読者層の形成―オスマン近代の経験から;アルメニア人オスマン官僚の教育的背景 ほか)
第3部 接続する帝国、交錯するネットワーク(ロシア帝国ヴォルガ・ウラル地域ムスリム社会の「新方式」の教育課程;ハプスブルクとオスマンの間で―ボスニアの「進歩的ムスリム」による教育改革論;帝国のメディア―専制、革命、立憲政)
オスマン・ハプスブルク・ロシア―帝国空間における知と学校の比較社会文化史への射程
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
崩紫サロメ
14
近代オスマン帝国の教育を中心としているが、教育機関だけではなく、教育を受けた人の任官や社会活動など広い問題を扱っており、オスマン帝国同様、多民族多宗教国家であったロシア帝国・ハプスブルク帝国の抱える問題を俯瞰した論文集。正教会知識人にとってイスラーム普遍主義に立脚して正教会の正統性や既得権益を保護してくれるオスマン帝国の存在こそが貴重なものとなっていたこと(p.249)など、正教会のあり方についても考えさせる論文が多くあった。2021/01/27
こずえ
1
高校世界史でケマルアタトュルクが近代教育を推進し~とさらっとあるがその辺について色々と勉強するにあたって読んだ本