内容説明
未来に生きる子どもたちにこそ伝えたい。そのために私たち大人が知っておきたいことは?―。
目次
第1章 生物多様性の伝え方―科学と文化
第2章 生物多様性とどう接していますか
第3章 生物多様性を受け入れる生き方、考え方とは
第4章 生きものの個体を追跡してみると…
第5章 子どもたちの幸せのために、里山を通して何を伝えるか
第6章 森の実践から学ぶ生物多様性の保全
著者等紹介
阿部健一[アベケンイチ]
総合地球環境学研究所教授。専門は環境人類学・相関地域研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬弐仟縁
17
1988年、E・O・ウィルソンが最初に 書名とした(6頁)。 生物多様性文化が必要というのが編者の主張(11頁)。 感性と理性がつくりだす文化という(33頁)。 人間の側が生物多様性を継承するには、 相当な努力を要すると思う。 桑田真澄さんの人生哲学はムリをせず、 合理的に、コツコツと生きるのだが、 生物多様性を維持するにもそうした流儀が 敷衍されるのである。 民族・地域・時代により多様に生きものとのつき合い方 がある(15頁)。 国際的な共通認識も必要となる(24頁)。 2014/04/22
Michiru Fukasawa
1
もやもや感。個体の話が面白かったのだけが収穫。2013/05/20
Jun-Ichi Sagara
1
「子どもたち」がどうもみえてこない。章によって著者が違うのでどうも統一感がとれていない気がする(章によっては「子ども」がちゃんと見える小もある/3章は秀逸)。子ども(次世代)に伝えるべきポイントが書かれているため、生物多様性について俯瞰的に見渡すのに丁度良い一冊だった。2013/04/24
戸川 純子
1
第一章、1ページ目から「生物多様性はなぜ大切なのか」という本の編者が「僕にはなぜ大切なのかわからない」といきなり突きつけられて、ずっこけた。生物好きの私は、ワクワクしながらこの本を開いたので、余計に激しくずっこけた。とはいえ、読み進めていくと、だんだんわかってくる、多様性の意味。複雑な関係のありかた、「サービス」という考え方、第一章は私にはいろんなことが新しく、面白かった。汚い川にいる生物が汚いか、悪い環境の虫は悪い虫か、この授業は特に面白そうだった。新年一冊目、いい本を読んだと思う。2013/01/11
Tomoko Miyoshi
0
章ごとに著者が違い難しい章もあり。本文より印象的な言葉を引用。「個々人の些細な違いを受け入れる寛容さが足りなくなっているのではないか。人間の文化、価値観の多様性の減少こそ、深刻な問題だと思う。人間自身の多様性を維持することもできないのに他の生物の多様性を守ることなんて、できるとはとても思えない。人々の多様な価値観を担保する人間社会を維持してこそ、生物の多様性を守ることができるのではないだろうか。それには、自分の理解の及ばないもの、役に立たないと思うものを受容する考え方、生き方が必要になってくるだろう。」2017/08/21