目次
第1章 「子どものコスモロジー」の理論
第2章 子どもはなぜ「替え唄」を歌うのか
第3章 唱え言葉「どちらにしようかな」の謎
第4章 わらべうたにひそむ“あやしさ”の淵源
第5章 食童子生肝譚にみる子どもの“あわい”性
第6章 妖精子守唄との出会いと別れ
第7章 “魂呼ばい唄”としての子守唄考
第8章 “あわい”を求める子どもたち―どうしてトトロは子どものときにだけ見えるのか
著者等紹介
鵜野祐介[ウノユウスケ]
梅花女子大学文化表現学部児童文学科教授。1961年、岡山県生まれ。京都大学大学院教育学研究科博士後期課程単位取得満期退学。2004年、英国スコットランド・エディンバラ大学より博士号(Ph.D.)を受理。専門は伝承児童文学の教育人類学的研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Kenji Umebara
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子どもは二つの世界を行き来する両生類だという比喩がおもしろい。現実と非現実、生の世界と死の世界、道徳と非道徳など境界線付近に位置し、ときに既成のものをひっくり返し、逸脱し、権威を笑い飛ばして大人を挑発する子どもたちは健全であり、豊かな内面の持ち主である。ああ、だからクレヨンしんちゃんはヒーローなのか。大人もかつて子どもだったのだから、たまには抑圧された自分を解放した方がいいかも。2017/10/20
nuna
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「あわい」をキーワードに替え歌、「どちらにしようかな」、子守唄といった子ども文化を分析し、子どものコスモロジー(人類学用語らしい)を浮かび上がらせようとする著者の論文集。研究の道半ばらしく踏み込みがやや浅く一つの理論とまでは至ってはいないけれど、とても興味深い。収録されている1980年代の子どもの替え歌には懐かしさもありつつ笑ってしまった。2009/06/03