内容説明
ギリシャでは植物標本を麻薬と間違えて逮捕され、緊張するイラン・イラク国境では野生種を夢中になって探索するうち民兵に取り囲まれ…。危機一髪のエピソードを交えながら、はじめて目にした植物への驚きと感動、地元の人々とのふれあいを、あたたかい語り口で伝える。
目次
未知の土地(terra incognita)に憧れて
1 私のフィールドワーク事始め(トランス・コーカサス地方植物採集の旅;エチオピア高原へ栽培植物採集の旅)
2 雑穀をたずねて(日本の山村から;韓国の山村への旅;ネパール・ヒマラヤの旅 ほか)
3 ムギ類とその近緑属植物の探索(メソポタミア北部高地へ;ギリシャのエーゲ海に沿って;スペインのスペルタコムギを求めて ほか)
フィールドワークから得たもの
著者等紹介
阪本寧男[サカモトサダオ]
1930年京都市に生まれる。1954年京都大学農学部農林生物学科卒業。1962年ミネソタ州立大学大学院修士課程修了、農学博士(京都大学)。京都大学名誉教授、民族植物学専攻
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感想・レビュー
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ふじにたか
1
植物学者である著者が、ユーラシアと言わず旧世界中をフィールドワークで回った紀行文をまとめたもの。昭和の頃に見られた旅先の風景は今はガラッと変わってしまったんだろうと思うと少し寂しい。イネ科の雑穀とその利用についても結構勉強になる。惜しむらくは肝心の植物の写真が少ない。和名がないような植物はネットで調べても形態の情報が見つかりにくいので、せっかくなので載せてほしかった。2019/07/20
Hiroyuki Nakajima
1
雑穀や麦に関する興味深い情報満載でした、 ●コーヒーの原産地 ●雑穀ベジタリアンの長寿村棡原村 ●ゲノム分析でパンコムギは2粒小麦とタルホ小麦が自然交配して出来たそうですが、実際に現場での検証の様子 ●ファッロの謎を解くカギ ファッロにはエンマーコムギとスペルト小麦の総称だそうですが実際に混食されている畑が有るそうです、総称された理由はそれかもしれません 等々興味深かったです タルホコムギとエンマーコムギを畑に植えておいたら自然交配してスペルト小麦が出来るんだろうか?2016/02/12
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