内容説明
本書は、庭石の石質と庭園の水系をつぶさに調べた結果を記録したものである。
目次
第1部 庭石が語る庭園の文化(京都の古庭園における庭石の石質;京都へ搬入された庭石の系譜;庭石の文化圏)
第2部 水系から読み解く庭園の生いたち(石質・水系・歴史地理からみた古庭園の築造と変遷;小川治兵衛(植治)が活用した水系と庭石)
著者等紹介
尼崎博正[アマサキヒロマサ]
1946年1月21日兵庫県生まれ。1969年京都大学農学部卒業。1994年京都芸術短期大学学長。日本庭園研究センター所長(現在に至る)。1998年京都造形芸術大学副学長(現在に至る)。1992年農学博士。日本造園学会賞設計作品部門受賞。文化庁文化審議会文化財分科会第三専門調査会名勝委員会委員、宮内庁御所離宮庭園特別整備技術指導委員、日本造園学会評議員、茶の湯文化学会理事、日本造園修景協会評議員、滋賀県文化財保護審議会委員、大阪市文化財保護審議会委員、史迹美術同攷会会長、他
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感想・レビュー
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chang_ume
2
庭園の様式分類や年代観に関して、なるほど庭石の「石質」は有力な指標になると思わせる。中世から多用される結晶片岩、あるいは江戸前期から突如増加する花崗岩(小堀遠州の特異な造園思想を示唆)、そして近代の植治による縞状チャートなど、石質と庭園の様式・年代は確かに相関するようだ。一方で例えば銀閣寺庭園。様式的には東求堂前に新相を感じますが(あくまで私見です)、石質分布からは逆に古相の特徴を帯びてしまう。クロスチェックが必要ですね。いずれにせよ庭園研究に有力指標を提示したことで、本書は大きな意味を持つことでしょう。2019/03/31
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