感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新田新一
22
作者は医師として働きながら、詩を書き続けている方です。日々の仕事の中で直面する人間の死や病のことが詩の中で描かれて、読んでいて胸が詰まる詩が多いです。例えば、「日食の舟」では、胃ろうで命をつないでいる少年のことが書かれて、それが自然の移ろいに結び付けられて表現されます。「雨座」という詩が一番良かったです。色々な星座のことが詩の中で触れられて、最後は美しいイメージを掻き立てる表現で結ばれています。子供の無垢な心を掬い上げた作者の感性に心を打たれました。2024/08/01
