出版社内容情報
協同組合が果たす役割は一層重要になっている。本書はそれらをふまえて現代社会と協同組合に関して語る。協同組合を国政上の重要施策の一つと位置づけた政策展開が求められ、資本主義制度の矛盾が現在ではグローバル化により拡大・深化しており、これを改善するために協同組合が果たす役割は一層重要になっている。本書はそれらをふまえて現代社会と協同組合に関して語る。
はしがき
第1章 農協法「改正」と協同組合の再編政策
1 「改正」内容の特徴と問題
2 政策理念を根本的に転換した「改正」
3 農協・協同組合の再編政策と自己改革
第2章 農協・協同組合再編政策の策定過程の特徴と背景
1 政策策定過程の特徴
2 政策策定過程の背景にある二つの特徴
3 転換が必要なトリクルダウン政策
第3章 雇用・生活不安と格差拡大が深化している現代社会
1 非正規雇用者の増加と長時間労働
2 貧困問題と経済的・社会的格差の拡大と固定化
3 現代の「社会的殺人」と協同組合の役割
第4章 オウエン、サン・シモン、フーリエの共同社会思想
1 オウエンと地域共同体
2 サン・シモンとフーリエ
3 先覚者3人の思想と現代における協同組合の課題…
第5章 協同組合セクター論と現代社会
1 先覚者の共同社会思想と現代社会の改革問題
2 ジョルジュ・フォーケの協同組合セクター論
3 レイドロウの協同組合地域社会建設論
4 ILO「協同組合の振興に関する勧告」の特徴と意義
5 均衡した社会の建設と協同組合
第6章 経済学における協同組合問題
1 J・S・ミルが示した「停止状態」と特徴
2 宇沢弘文氏の社会的共通資本と協同組合
第7章 協同組合の価値・原則と現代的意義
1 1995年ICA大会決定の特徴
2 協同組合原則の発展と特徴
第8章 協同組合による社会改革論の特徴と課題
1 空想的社会主義者の社会改革論
2 現代における社会改革と協同組合の課題
3 現代社会の改革と協同組合の課題
第9章 地域再生の課題と協同組合─農村・農協を中心に
1 農村の混住化と農業者の階層分化
2 混住化に伴う地域課題と農協の取り組み
3 地域資源を活かした農村再生の重要性と課題
4 農村再生と農協の課題
第10章 安心・安全な食料の安定供給と協同組合.
1 低下する農業の地位と食料自給率
2 国内農業生産が基本の食料の安定供給
3 農協の具体的な取り組みの実態と課題
4 食料・農産物の輸入制度と課題
第11章 医療・保健・福祉事業と協同組合
1 産業組合・農協の医療事業の特徴と経過
2 農協医療事業の実態と公的医療機関としての特徴
3 農協の健康管理対策の取り組み内容と課題
4 医療福祉生協の取り組みと特徴
第12章 現在の日本の課題と協同組合の役割─農協・農村を中心に
1国政からみた最近の特徴と多数者改革の展望
2多数者改革への課題と協同組合の役割
3日本における協同組合の役割と重要性
補 章 農協の職能的機能と准組合員問題
1 産業組合法と中産以下の産業者問題
2 農業者を「当然会員」とした農業団体法
3「非農民的勢力の支配」問題と農協
4 農協の二つの機能と課題
北出俊昭[キタデトシアキ]
著・文・その他
目次
農協法「改正」と協同組合の再編政策
農協・協同組合再編政策の策定過程の特徴と背景
雇用・生活不安と格差拡大が深化している現代社会
オウエン、サン・シモン、フーリエの共同社会思想
協同組合セクター論と現代社会
経済学における協同組合問題
協同組合の価値・原則と現代的意義
協同組合による社会改革論の特徴と課題
地域再生の課題と協同組合―農村・農協を中心に
安心・安全な食料の安定供給と協同組合
医療・保健・福祉事業と協同組合
現在の日本の課題と協同組合の役割―農協・農村を中心に
農協の職能的機能と准組合員問題
著者等紹介
北出俊昭[キタデトシアキ]
1934(昭和9)年石川県生まれ。1957(昭和32)年3月京都大学農学部卒業。4月全国農業協同組合中央会入会。1983(昭和58)年3月同退職。4月石川県農業短期大学教授就任。1986(昭和61)年3月同退職。4月明治大学農学部教授就任。2005(平成17)年3月同退職。農学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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