出版社内容情報
近代日本に強烈な求心力と滅びへの道をもたらした教育勅語。
1890年のエリートたちがつくりだした「名文」には、何が書かれているのか。315字の一字一句の意味と文章の構造をあきらかにし、その来歴と遺産までを語り尽くす。ありそうでなかった、上げも下げもしない教育勅語入門。
くわしすぎる教育勅語 もくじ
第一部 [精読] 一字一句をつまびらかに
第一文 朕惟フニ、我カ皇祖────「朕」と「我」はどう違う?
第二文 我カ臣民、克ク忠ニ────つくられた伝統が「教育の淵源」に
第三文 爾臣民、父母ニ孝ニ────徳目はすべて「皇運」のために
第四文 是ノ如キハ、独リ朕カ───「忠」と「孝」をまとめあげる
第五文 斯ノ道ハ、実ニ我カ────全世界が戴く勅語の真理
第六文 朕爾臣民ト倶ニ──────朕の希望をすすんで体せよ
第二部 [始末] 来しかたとゆく末
第1節 起草者それぞれの思惑
第2節 徳目はどこから来たか
第3節 「君主の著作」の法的地位
第4節 モノとしての教育勅語──原本と謄本
第5節 物神となった謄本と「御真影」──学校儀式と不敬事件
第6節 教育勅語と学問の自由
第7節 揺れる教育勅語解釈
第8節 失効後に残ったもの
第三部 [考究] これまでにわかっていること
文献案内
資料(抄録)
学制布告書/軍人勅諭/帝国憲法告文・憲法勅語・公布文/徳教ニ関スル勅諭ノ議ほか/明治二三年文部省訓令第八号/小学校祝日大祭日儀式規定/戊申詔書/国民精神作興ニ関スル詔書/青少年学徒ニ賜ハリタル勅語/聖訓ノ述義ニ関スル協議会報告/勅語及詔書の取扱について/日本国憲法/教育基本法(1947)/教育勅語等排除に関する決議/教育勅語等の失効確認に関する決議/教育勅語等の取扱について/期待される人間像(草案)/教育基本法(2006)/特別の教科 道徳──中学校指導要領/教育勅語の根本理念に関する質問書・答弁書
高橋 陽一[タカハシ ヨウイチ]
著・文・その他
内容説明
「以て天壌無窮の皇運を扶翼すべし」―すべての道徳が、この一点に集約される。明治のエリートたちが書きあげた315字。その文言はどこからやってきて、何を目指したのか?巧みなレトリックと埋めこまれたフェイクを味わう。教育勅語と関連年表付。
目次
第1部 “精読”一字一句をつまびらかに(第一文 朕惟フニ、我カ皇祖―「朕」と「我」はどう違う?;第二文 我カ臣民、克ク忠ニ―つくられた伝統が「教育の淵源」に;第三文 爾臣民、父母ニ孝ニ―徳目はすべて「皇運」のために;是ノ如キハ、独リ朕カ―「忠」と「孝」をまとめあげる;斯ノ道ハ、実ニ我カ―全世界が戴く勅語の真理;朕爾臣民ト倶ニ―朕の希望をすすんで体せよ)
第2部 “始末”来しかたとゆく末(起草者それぞれの思惑;徳目はどこから来たか;「君主の著作」の法的地位;モノとしての教育勅語―原本と謄本;物神となった謄本と「御真影」―学校儀式と不敬事件;教育勅語と学問の自由;揺れる教育勅語解釈;失効後に残ったもの)
第3部 “考究”これまでにわかっていること
著者等紹介
高橋陽一[タカハシヨウイチ]
1963年生まれ。武蔵野美術大学教授。教育史学会・日本教育史学会理事(2019年現在)。専攻は日本教育史(国学・宗教教育)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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