内容説明
これだけ批判して、学校ってよくなりましたっけ?教育語りの誘惑、学校の困惑、子どもの迷惑。
目次
序章 教育語り、この「神々の争い」
第1章 腫れ物としての道徳教育
第2章 ゆとり教育か、学力向上か?
第3章 タブーとしてのエリート教育
第4章 キャリア教育になにが期待できるか
第5章 だれのための大学改革なのか?
終章 子どもを「理想」の犠牲者にしないために
著者等紹介
児美川孝一郎[コミカワコウイチロウ]
1963年生。法政大学キャリアデザイン学部教授。法政大学文学部教育学科専任講師、助教授、キャリアデザイン学部助教授を経て現職。専門は教育学。法政大学大学評価室長、日本教育学会理事、日本キャリアデザイン学会副会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
katoyann
20
「教育語り」の横溢(29頁)状況を踏まえ、特に対立点が生まれやすい5つのテーマ(道徳教育、ゆとり教育、エリート教育、キャリア教育、大学改革)を選び、それらの解釈のポイントについて整理した内容である。戦前の修身科の歴史から辿り、道徳の教科化には戦争のできる国のために必要な愛国心を育てるという目論見があることを暴く。その他、入学してから卒業するまで就職のためのキャリア形成に努めなければならない大学生の現状など学ぶことが多い。教育を論じる際には存在被拘束性を意識して、主観に偏らない立論が重要だとする。面白い。2022/03/09
きいち
20
道徳、ゆとり、エリート教育、キャリア教育、そして大学改革をめぐって、その「教育語り」のしくみを追いかけつつ、課題を見据え正面から向き合って考えることを提案。◇根っ子のところにあるのは、教育語りがどれも、教える側、育てる側の議論になってしまっていて、学ぶ側習う側の議論じゃないこと。学び続けることを生業としている研究者たちと、学ぶことをやめてしまってる企業人。相手も同じ議論をしていると思うから深みにハマる。みな、自分が学ぶ側になってみるのが突破口では。道徳教育、いい先生の授業ってちゃんと今に向き合ってるし。2020/09/12
takao
3
ふむ2022/10/12
kyomi
2
道徳、ゆとり、エリート、キャリア、大学改革について、経緯と論点を整理。大人の都合よりも子供たちにとっての教育のあり方がもっと大事にされるべきだなぁ。22017/05/09
骨ゆん
1
道徳が教科になり点数がつけられるのは嫌悪感がある。著者が言うように国が物事の善悪を定義するのはいかがなものか。善悪ってそういうものだろうか? 見方によっても、場合によっても善悪は変わる。あとはそんなに心に響かなかった。日本人がエリート嫌いって部分に驚いたくらい。中流でありたいのはわかるが……。教育の事を考えてみるのにいいかもしれない本。問題提起は多いが、代案がないので注意が必要。2016/04/15