内容説明
はじまりは、猫おばあちゃんだった。―「動物たちの命の大切さを伝える映画を作ってほしいの。お金は出します」劇場ロビーのベンチで、見知らぬおばあさんに、いきなりそう切りだされた。めんくらったぼくは「ハァ?」と口走りそうになりながら、一応は話を聞くことにした。ドキュメンタリー映画『犬と猫と人間と』の監督が綴る、いのちをめぐる旅。
目次
きっかけは猫おばあちゃんだった―何も知らないところからの出発
神奈川県動物愛護協会へ―撮影スタート
殺処分に向きあう―千葉・神戸の行政施設で
四〇〇匹の「犬捨て山」で―山梨、ボランティアたちの取り組み
稲葉さんのこと
崖っぷち犬騒動と子どもたち―徳島、ふたつの風景
捨て猫と人間と―東京・多摩川、小西夫妻
獣医師・前川博司さんに聞く―戦中戦後の日本人とペット
イギリスのいまを取材する―動物愛護の“先進国”へ
最後の撮影―映画の完成へ向けて〔ほか〕
著者等紹介
飯田基晴[イイダモトハル]
1973年生まれ。96年より新宿でボランティアとして、野宿の人びととかかわる。98年よりビデオ、テレビなどで野宿者の状況を発表。フリーで映像制作をおこなう。06年、仲間と「映像グループ ローポジション」を設立。監督作品として、ドキュメンタリー映画『あしがらさん』(02年)、『今日も焙煎日和』(07年)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まつじん
22
将来犬猫を飼うときは動物愛護センターから貰い受けることにしよう・・・2013/02/10
Rin
18
【図書館】ここ2年くらい市の動物愛護フェスティバルで映画のショート版を上映しています。犬ねこボランティアをしているのに、本が出ている事に今頃気がついて読んだのですが、出演された方々の真っ直ぐな想いがひしひしと伝わってきて読んで良かった。人間の身勝手さに振り回される犬ねこが少しでもいなくなるように。飼うなら一生側にいて幸せにしてあげるっていう決意をして、経済的にも今の生活から制限されることもある負担部分も全部しっかり考えて、飼うのかを検討する事が大切。ペットとの生活を考えている人に読んでほしい一冊。2015/02/14
書の旅人
10
ラジオで続編映画の話を聞き、即、調べてみるや、この表紙の犬と目が合ってしまった。何かを訴えかけてくる眼差しに引き付けられてしまい、そのまま購入。DVDもまずは第一作を購入。読んで…、観て…、ようやく実態を知った…。図らずも一人になった今、やりたかった事をやろう。些細なものでしかないけれど、自分が納得出来るなら、それをやろう。まずは明日、その第一歩を踏み出す。2016/04/03
鈴
10
犬猫の殺処分を取り上げたテレビなど、犬の悲しい目を見ると泣けて仕方ないので観るのが嫌でたまらない。もちろん本もなるべくなら読まないようにしていた。けどこの本はお涙ちょうだい的な内容ではなく、淡々と現状を教えてくれるという感じだった。私は仕事で犬と接しているが、本当に身勝手な飼い主たちを何人も見てきた。引っ越すから、赤ちゃんが生まれるから、粗相するから、吠えるから、病気だから…そんな理由で手放す人が本当に多い。この本は今現在動物を飼ってる人、これから飼おうと思ってる人には絶対読んでもらいたい。続き→コメにて2011/03/22
Ted
7
ペットを「最期まで」飼ったことのある者が読むと、居たたまれない気持ちになる。犬の感情はその目を見れば ほぼ正確に読み取れるものだが、本書のスナップでこちらを見つめる犬たちの眼差しは明らかに「なんで?」と無言の問いかけをしている。命を粗末にしたツケは、ブーメランのように必ず自分に返ってくるものではないだろうか。従来の動物愛護や動物福祉とは一線を画す「Animal Rights(動物の権利)」を尊重するイギリスの団体の考えは先進的で傾聴に値する。菜食主義を実践し、主張と行動に矛盾がない点にも好感が持てる。 2011/09/19
-
- 和書
- やさしいドイツ語入門