内容説明
完全競争と規模に関する収穫一定のもとでの標準的な貿易の純粋理論の説明からスタートし、不完全競争と収穫可変のもとで純粋理論の解明、国際貿易の厚生経済学の基本(コア)定理、不完全競争下の貿易利益、要素移動が存在する場合の貿易政策に関する新しい成果などが、著者の優れた研究とともに示されている。とりわけ生産要素の国際移動に関するトピックス、すなわち貿易の要素含有量、財の貿易と要素移動の関連、規模の経済下の要素移動、独占的競争下の要素移動、寡占下の要素移動、直接投資や国際労働移動などが、洗練された手法で鮮やかに分析されており、その成果には目を見張るものがある。
目次
第1部 序論(序章)
第2部 純粋理論―新古典派モデル(収穫一定と完全競争のもとでの一般均衡;比較優位と貿易の要素含有量;財の国際貿易と国際資本移動)
第3部 純粋理論―収穫可変と不完全競争(外部的な規模の経済;独占的競争と差別化財の産業内貿易;寡占と同一財の産業内貿易)