内容説明
本書は、革命独裁論の歴史的背景を探る際、問題の機軸を注目されることのなかったポーランド問題に置いている。ボリシェヴィキ・イデオロギーの源流とみなされるロシア・ジャコバン派の運動が19世紀末のロシアの革命運動の磁場にだけ限定されるべきものではなく、フランスのブランキ派と密接な連携を保っていた、広くヨーロッパを舞台とした国際的連帯のなかで形成された運動であったことを論証。ロシアとフランスの革命運動を媒介したものこそポーランド人亡命者であったという歴史的事実を確認すること、ここに焦点を当ててロシア・ジャコバン派の革命戦略を歴史研究の文脈で捉えることが狙いである。
目次
第1章 ロシア・ジャコバン派とは何か
第2章 トゥールスキの人物像
第3章 大亡命の黄昏―一月蜂起後のポーランド人亡命者群像
第4章 ネチャーエフ事件からブランキ派との提携へ
第5章 綱領『響鐘』の成立
第6章 政治における観念論と唯物論―トゥールスキの政治思想
第7章 人民解放団
第8章 ミハイロ・ドラホマノフとの論争
第9章 トゥールスキの政治活動
第10章 晩年のトゥールスキ