内容説明
兄ちゃんのクラスに、広島からの転校生・ケンゴがやってきた。ケンゴの親は原子爆弾で亡くなったらしい。兄ちゃんは「ゲンシ病はうつる」って言ってるけど、ほんとなんだろうか…。うわさから生まれる差別について考える絵本。
著者等紹介
梅田俊作[ウメダシュンサク]
1942年京都府生まれ。画家・絵本作家。いじめの問題を描いた長編絵本『しらんぷり』(ポプラ社)で日本絵本大賞を受賞。『14歳とタウタウさん』(ポプラ社)で日本絵本賞特別賞を受賞。絵本に『このゆびとーまれ』(講談社・講談社出版文化賞)、『ばあちゃんのなつやすみ』(岩崎書店・絵本にっぽん賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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chimako
59
わたしはけんかをした。私の悪口言いふらしてるってうわさだから。そうしたらおじいちゃんが昔の話をしてくれた。おじいちゃんが小さかった頃のこと。戦争が終わってまだ間もない頃、広島から転校生が来た。おじいちゃんの兄ちゃんは転校生ケンゴとけんかをした。「ゲンシ病がうつるから」「ジンピンゲレツ」お父さんに丸刈りにされてみんなで謝りに行った。意地悪な6年生はケンゴの悪口を言い続ける。「ヒバクシャは出ていけ」と。広島で修学旅行生が心ない言葉を投げたのはつい最近のこと。嘆かわしい。ジンピンゲレツである。2014/06/27
かおりんご
38
絵本。広島からやってきた転校生は、被爆者だということで、周りからひどい仕打ちを受ける。あってはならないことだけど、噂というのは恐ろしい。本当のことを知り、冷静に対処していくことが大事だと感じた。2016/01/11
どあら
20
図書館で借りて読了。何故か、悪い噂程広まるのは早い。読んでて腹がたってきた<(`^´)>2016/09/14
あおい
18
広島からきた転校生をゲンシ病がうつるといじめる子供達。「だって誰もが言ってる」と言った兄に対し父が「ジンピンゲレツ」と。宮沢賢治の雨ニモマケズをつぶやき耐える少年が痛ましい。つらい理不尽な事ばかりだけどうわさごとに惑わされず少年に寄り添う兄と主人公の存在に救われる。2017/09/30
miko
14
「雨ニモマケズ」が織り込まれていると聞いて☆ 原爆で家族を亡くし転校してきた子を「ゲンシビョウはうつる」と蔑むなんて、正に「ジンピンゲレツ」 そんな彼が呟く「雨ニモマケズ」 きっと心の支えだったんだね。 私にとって「雨ニモマケズ」は、何なんだろう…2017/04/08