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内容説明
ルワンダ。アフリカ中部にある、この国でおこった悲劇を、あなたは知っているでしょうか。八十万人以上の人が命を奪われたという、恐ろしい死の三か月間の歴史が、この国にはあるのです。
目次
1 「外国人は殺せ!」
2 ジェノサイド“大量虐殺”
3 ジェノサイドから立ち上がって
4 生き残った母と三人の息子たち
5 夜の慰霊祭で
6 家族の故郷へ
7 父は生きている
8 相手をゆるす時
著者等紹介
後藤健二[ゴトウケンジ]
ジャーナリスト。1967年宮城県仙台市生まれ。番組制作会社をへて、1996年に映像通信社インデペンデント・プレスを設立。戦争や難民にかかわる問題や苦しみの中で暮らす子どもたちにカメラを向け、世界各地を取材している。NHK『週刊こどもニュース』『クローズアップ現代』『ETV特集』などの番組でその姿を伝えている。『ダイヤモンドより平和がほしい』(汐文社)で、産経児童出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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- 評価
京都と医療と人権の本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kawai Hideki
105
ルワンダのジェノサイド(大量虐殺)を生きのび、女性の生活の立て直しを支援しながら自らも母として政治家として、家族や国の再建に尽くす女性政治家に密着したルポ。後藤さん自身やカメラマンも、冒頭でいきなり子ども兵士に取り囲まれたり、酔っぱらい兵士に銃をつきつけられたりしていて、「いつここで死んでもおかしくない状況」をくぐり抜けている。「職業は武装解除」を読んでも思ったが、こういう地域で起こっていること、そこで日本ができること/やっていることを、正しく認識していくことが大事だと思った。2015/02/13
澤水月
47
後藤さん「虐殺した相手を許すことは自分ならできないがゆるす努力をしてみよう」。復讐は何も生まぬ、乗り越え子供に渡さねば…現地女性の言葉がIS跋扈の15年、重い。伝える責任があるのよ!と見つめられ…“先進国”のルワンダジェノサイド注視収まった08年刊。虐殺だけでなくエイズ感染武器としてのレイプ、超えて生きねばならぬ女性…通訳が何度もパニックに。「戦後の日本も残った女性が国を立て直した点が似ているが議員はルワンダが半数で…」など聞こうとしては人々の傷の深さに打ちのめされる誠実。後書きで自身家族を壊した懺悔驚く2015/11/17
kan
31
小学生向けに書かれているが、子どもだからとごまかしたりせず、ジェノサイドとは何か、それが人間にもたらす影響の大きさがどれだけのものかを誠実に伝えている。ルワンダ虐殺のサバイバーへの聞き取り取材は相当な配慮と覚悟が必要だっただろうと想像する。特に、兵器としてのレイプとHIV感染、同じ村の隣人同士の殺戮の残酷さは筆舌に尽くしがたい。授業でルワンダ虐殺と、サバイバーのマリールイズさんを扱うので読んだが、本書に登場する通訳は彼女だろうか?サバイバーに寄り添い、真摯に伝える著者は後藤健二さん。御冥福をお祈りします。2024/10/17
Y2K☮
31
昨日まで仲の良かった隣人に殺される。ツチ族だというだけで。3か月で80万人。引き金となった大統領暗殺は軍需産業やテロ組織のスポンサーが黒幕かも(この視点は中村文則の影響)。逆らえば自分達も殺されるから仕方なく荷担したフツ族の人も多いはず。もし自分がその立場で「こんなの間違ってる」と云えるか? 想像しただけで震える。ツチ族の側で生き残ったとして、アルフォンシンさんみたいに前を向いて頑張れる? 後藤さん、ありがとう。本当に考えさせられる本だ。平和への想いと流されない勇気。赦すという言葉の重み。無駄にしないよ。2018/02/23
シュシュ
31
ジェノサイド〈大量虐殺〉という言葉は聞いたことはあったが、具体的な状況を読むと、かなりショッキングだった。武器の一つにエイズに感染させるためのレイプがあり、犠牲になったのは女性と子どもたちだった。部族の対立が発端だが、人間ってこんなに残虐になれるものかと思う。暴力に頼らない方法を考え続けなければいけないと切に思う。危険な地域に実際に足を運んで現地の人の生の声を聞いた人がいたからこそ、知ることができたと改めて思う。後藤さんが残したものを読んでいきたい。2015/02/07