内容説明
1943年、ユダヤの少年イーサンと少女リヴカは、あつい夏をいっしょに過ごしていました。ふたりがいたのは、ゲートでとざされた中に、ユダヤ人をあつめて閉じこめた、ゲットーとよばれる町でした。この物語の舞台は、リトアニアの首都ヴィリニュスです。けれど、第二次世界大戦中には、おなじようなことがヨーロッパのどこで起こってもおかしくありませんでした。これは、忘れてはいけない記憶の物語です。
著者等紹介
マルツィンケヴィチウス,マリウス[マルツィンケヴィチウス,マリウス]
作家、詩人、医師。こどもたちに広く支持される児童文学作家として活躍している
ダギレ,インガ[ダギレ,インガ]
絵本作家、デザイナー。これまで10冊の絵本のイラストを手掛け、リトアニア国内外で数多くの賞を受賞
木村文[キムラアヤ]
リトアニア語翻訳者、博物館研究者。帯広畜産大学人間科学研究部門准教授。詩を中心にリトアニアの文学を翻訳者として第一線で活躍している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
二戸・カルピンチョ
24
なぜ、差別や迫害がいけないのか、それを無くすために何をするもしくは何をしないか。巻末に書いてあることが、本当に誇れることになるように、過去の歴史の間違えを認める日が早く来るように。2025/07/07
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
7
リトアニア首都に在ったヴィルニュス・ゲットーをモデルとしたおはなし。一見自由に過ごしているようで、実は閉ざされたゲートの中の束縛された自由。読み進めるたびに、苦しくなっていく。リトアニアということで、高学年に杉浦千畝と絡め紹介しようと思う。2025/07/30
チタカアオイ
1
【図書館】2025/07/03
たくさん
1
ユダヤ人が迫害された。悲劇で繰り返してはいけない。それは確かなことだ。しかし、なぜユダヤ人が迫害されたのかの理由や今現在ユダヤ人とイスラエルがアラブの人々と喧嘩をしてアラブ人を殺している現状は何なのか。ユダヤ人の迫害はダメ。その価値観だけで止まっていると今の問題も解決できないのではないかと少し思います。平和を取り戻しつかむためにはいつもと同じ見方ではないところがきっかけになるかもしれないなと、少し思います。ただし迫害は悲劇です。2025/06/02
19
0
予想を上回る悲しい結末だった。読んでいて息が詰まりそうになるほど悲しかった。恥ずかしながらリトアニアでもこのようなユダヤ人差別・虐殺が起こっていたことを知らなかった。あったことを、伝えなければ、伝え続けなければいけないと思った。でも我が子低学年には読ませられないと思った。高学年に読ませると、理解してくれたとともに、「あの犬はその後どうしたんだろう」と。その小さな細部を気に掛けることがとても大切なように感じた。2025/05/30