内容説明
豊かに見える今の日本社会のひずみを受け、満足な食事をとることのできない子ども達がいる…。そんな子どもたちの拠り所となる“子ども食堂”が、地域の新たなコミュニティとして全国各地に広がっています。なぜ今“子ども食堂”が必要とされるのか?この物語では、その大切なテーマを子どもの視点から描き出します。
著者等紹介
足立紳[アダチシン]
1972年生まれ、鳥取県出身。日本映画学校(現・日本映画大学)を卒業後、相米慎二監督に師事し、助監督などを務めた後、フリーランスの映像制作スタッフ、演劇活動を経てシナリオを書き始める。2014年に脚本を務めた映画『百円の恋』が、東京国際映画祭の日本映画スプラッシュ部門で作品賞、第39回日本アカデミー賞最優秀脚本賞受賞など数々の賞を受賞。2016年『乳房に蚊』(幻冬舎)で小説に初挑戦。同年『14の夜』で映画監督デビュー
ひろはたえりこ[ヒロハタエリコ]
北海道根室市生まれ。北星学園大学英文科卒業。作品に『遠い約束』(小峰書店・第16回北の児童文学賞受賞)ほか多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
66
今、すぐ身近にあるはずの子どもの貧困に、ぼくらは果たしてどれほど気がついているのだろう。もっと大事なことは、個人や社会はこの問題にどのように取り組めばよいのかということ。主人公である小学生のユウトにできたことは、せいぜい自分の父母に理解してもらう程度のことだったが、でもその訴えに対して、父母は実にみごとな対応をしてくれた。並の大人にできることではない。もちろんこれは創作であり、現実には助けてもらえない子どもが多く存在している。この困難な問題をよい方向に変えていくためにも、この作品は読まれるべきだ。2021/01/29
たまきら
36
映画をノベライズした本です。食堂の息子さんと、大きいけどいじめられっこの男の子。車で寝起きする親子。様々な救済システムがあるはずだけど、孤立してしまう。無視されがちな存在へ目を向け、できることをしたい。不器用に、でもいっしょうけんめい行動するこどもたちがいじらしいお話でした。貧困家庭。ネグレクト…。古い町で暮らしながら同じ気持ちの人たちがいることをかみしめました。2020/03/03
じょうき
17
図書館本。長男の読書感想文の手伝いを兼ねて。映画のノベライズで児童向けなこともあり、さらりとしているが、子供の視点から描かれていることで、問題を浮き彫りにしている。大人であれば仕方がないと目を背けてしまうことも、子供だからこその真っ直ぐさで、逃げられない。自分にできることは何か。この社会で何が起こっているのか。考えること、知ろうとすることが大切。長男にも、読書感想文のためというだけでなく、何か感じとってほしいと思う。2022/08/17
杏子
15
映画『こどもしょくどう』ノベライズ。こんな子どもがいる現実もあるのだろう。知らないだけで。子どもがお腹いっぱいご飯を食べられないのはつらいね。2020/01/25
ヒラP@ehon.gohon
14
自分の知っているこども食堂とは距離感のある内容では有りました。 でも、親から取り残された二人の姉妹がどうなっていくのか、ユウト、タカシや、他の登場人物の絡み合いに興味を持ちました。 こども食堂の趣旨としては理解できるのですが、実情とマッチングできているのかちょっと疑問が残りました。2019/10/03