内容説明
星新一、筒井康隆、眉村卓、小松左京…。現代文学から、ライトノベルにいたるまで、広い影響をあたえ続けている初期の日本SF作品から、親しみやすいショートショート・短篇を集めたアンソロジーシリーズ!本巻では、人間の文明の行き着くところをえがく名作SFを収録。そこにあるのは、夢や希望か、滅びの未来か…。巻末では未来SFの系譜や、おすすめSF作品を丁寧に紹介。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
そうたそ
19
★★★☆☆ 「未来」をテーマにした作品を収めたアンソロジー。やっぱり面白いのは星新一、筒井康隆の両氏。「ゆきとどいた生活」は何度読んだかわからないというほど、幾度も読んだ作品だが、いつ読んでも構成から結末に至るまですべてが素晴らしい。「人口九千九百億」は人口が増え過ぎた余りに空間が縦に広がっていった未来が描かれる。作家ごとに違う未来のイメージを読むというのも非常に面白い。「人口九千九百億」からの「通りすぎた奴」は同じようなテーマながら全く違うストーリーを味わえる。2019/04/30
マツユキ
9
未来をテーマにしたアンソロジー。星新一『ゆきとどいた生活』、筒井康隆『人口九千九百億』、眉村卓『通りすぎた奴』、小松左京『カマガサキ二〇一三年』、河野典生『緑の時代』収録。前半、超高層ビルで覆われた世界。階段で最上階を目指す旅人の物語『通りすぎた奴』が印象に残りました。後半 二作は、未来という感じはしませんが、『緑の時代』は世界が変わっていく様子に引き込まれました。全四作読み終わったのdr、今度は新しい作家さんのSFを読みたいです。2019/09/08
スターライト
7
若い世代にSFの魅力を紹介していくアンソロジーの最終巻のテーマは「未来」。子どもの頃、「未来」「21世紀」という言葉を聞くと、人々の生活は豊かになり家庭や社会の様々なシーンでコンピュータ化・自動化され、労働から自由になった時間はレジャーやスポーツなどの娯楽に費やされる。まさしく「バラ色の未来」だった。そんな時代にかかれた収録作品は「バラ色」とはいえないが、科学技術の発達が人々や社会にどのような変化をもたらすかを描いている。印象に残ったのは、高層建築を階段で最上階まで登り続ける男の物語「通りすぎた奴」。2019/03/30
メイロング
2
技巧のうまさと内容のおもしろさがイコールでつながらない。賞味期限が切れてしまっているだけでは説明がつかない感じ。「通り過ぎた奴」は前半おもしろいけどオチがやや急な印象を受けるし、「九千九百億」も発想は素晴らしいけど突き抜けきらない落語な感想。それこそ落語みたいに、現代に合わせた展開やオチに改変できたらいいのに。「緑の時代」は映像的でいいですね。2019/04/04
rachel
0
長女の1番面白かったのは「ゆきとどいた生活」2番目が「緑の時代」か「通り過ぎた奴」とのこと。2021/10/24