内容説明
現代文学から、ライトノベルにいたるまで、広い影響をあたえ続けている初期の日本SF作品から、親しみやすいショートショート・短篇を集めたアンソロジーシリーズ!本巻では、機械と人間の関係をあつかったロボットSFの傑作を収録。巻末では、ロボットSFの歴史や、現実のロボットの歩み、各著者のプロフィール、代表作などを丁寧に解説する。
著者等紹介
日下三蔵[クサカサンゾウ]
1968(昭和43)年、神奈川県生まれ。出版社勤務を経てミステリ・SF評論家、フリー編集者。編著に『天城一の密室犯罪学教程』(第五回本格ミステリ大賞評論・研究部門受賞)など多数
旭ハジメ[アサヒハジメ]
イラストレーター。書籍装画、挿絵などを中心に活動中。SFやミステリ分野の作品が多い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
くさてる
21
初期日本SFショートショートセレクション。「ロボット」がテーマのこの本は、切なめの話が多い。既読だけど、筒井康隆「お紺昇天」は、なんど読んでも泣きそうになる。矢野徹「幽霊ロボット」も同様。そして、平井和正「ロボットは泣かない」は、作家にこれを書かせた人類への怒りと不信感がキツくて酔うような思いになりました、2020/09/26
そうたそ
17
★★★☆☆ シリーズ二冊めの本書では「ロボットと人間」をテーマにした作品が収められている。御三家+平井和正、矢野徹という豪華なメンバー。御三家の作品の素晴らしさは言うまでもないが、星さんの作品から「花とひみつ」を選んできているあたり、なかなかマニアックだと思う。ロボットというテーマの基本に則った作品選びがされており、まさに児童向けにふさわしい一冊ながら、大人が読んでも十分に楽しめる内容。矢野徹さんの作品なんて、意外に読んだことがない人が多い気がするので是非。2019/04/19
マツユキ
13
若い読者向けのSFアンソロジーで、ロボットをテーマに5作品を収録しています。筒井康隆の『お紺昇天』と平井和正の『ロボットは泣かない』は、家庭ある男と女性ロボットの交流を描いて、複雑(笑)。小松左京の『ヴォミーサ』は、初っぱなから何か起きるぞと、わくわく。結末も好き。他には星新一の『花とひみつ』(女の子の描いた絵の行方)にほっとし、矢野徹の『幽霊ロボット』(ロボットと少年の交流)は切なかったです。2019/07/27
スターライト
10
若者向けに日本SFの名作短篇を紹介するシリーズ第二弾のテーマは「ロボット」。今ではロボットというとAIやら小難しい言葉が出てくるイメージがあるかも知れないが、年少者はもちろん、大人が読んでも充分に鑑賞に堪えれる名作揃いのラインナップになっている。冒頭の「花とひみつ」は星新一らしい見事な童話だし、矢野の「幽霊ロボット」はロボットと少年の触れ合いが心温まる佳品。筒井「お紺昇天」と平井「ロボットは泣かない」は主人公のロボットに対する執着が家族の理解が得られない悲哀が漂う。小松「ヴォミーサ」はまさかこう来るとは!2019/02/23
美葉
9
星新一の「花とひみつ」、矢野徹の「幽霊ロボット」、平井和正の「ロボットは泣かない」が読みやすくて好きだった!2024/03/14