内容説明
高校生のみどりは、保健室の常連。その日も授業を抜け出して、保健室で休んでいた。みどりがベッドでうとうとしていると、保健室に入ってくる誰かの足音が聞こえ―そして、目を覚ました時には、みどりは大事件に巻き込まれていた!(「保健室の午後」より)。いつもの教室が事件の舞台に!?学園ミステリー作品集。
著者等紹介
赤川次郎[アカガワジロウ]
1948年福岡県生まれ。日本機械学会に勤めていた1976年、「幽霊列車」で第15回オール讀物推理小説新人賞を受賞して作家デビュー。多彩なシリーズキャラクターが活躍するミステリーのほか、ホラーや青春小説、恋愛小説など、幅広いジャンルの作品を執筆している。2006年、第9回日本ミステリー文学大賞を受賞。2016年、『東京零年』で第50回吉川英治文学賞を受賞。2017年にはオリジナル著書が600冊に達した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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モモ
42
短編集。「拾った悲鳴」授業中に「助けて!とじこめられています。」と書かれた紙飛行機を受け取ってしまって…。「自習時間」は涼子が残してくれたメッセージが切ない。「保健室の午後」は保健室の先生が殺されて、犯人に脅される。いったい犯人は誰?「大人の時間」はほろ苦い結末。望ましい服装が紺のブレザーの学校で、父親が病気で制服が買えなくて私服を着ていたら、問題児とされ授業を受けさせてもらえない。今だと体罰で訴えられそう。昔は今よりも理不尽なことで怒られることがあったかもしれないな。ちょっとほろ苦い一冊でした。2020/05/28
ゆっき
19
赤川次郎さんミステリーの小箱三冊目。学校が舞台の物語で、今のところシリーズの中では一番の良作。特に子供の自由についての問題提起をしている2007年初出の「大人の時間」はいろいろと考えさせられる深い作品でした。表題作の「保健室の午後」はホームズと片山さんに会えて嬉しかったです。2020/05/03
shiho♪
18
小学生も読める赤川作品を求めて…。ホラーの迷宮シリーズ(汐文社・全4巻)が人気で、6年生からもっと赤川さんの本が読みたいとリクエストあり。 学校を舞台にした5編収録。ハラハラドキドキのミステリー。そして大人でも考えさせられるお話もあった(大人の時間)。2021/07/29
ココ
16
ミステリーの小箱、最後の一冊。なかなか…深かった。ラストの話「大人の時間」は、まっすぐな岐子と、桐山さん、2人が、歪んだ世界と戦っていることが、暗に描かれていて、赤川さんてすごく、評論家?というか。こんなアップテンポなストーリーの中で、今の日本への問いかけを、投げかけを、こんな世界でいいのだろうかと問うてくれる方だと。自然と心が気持ちが弾きしまる話が多い。何気なくホームズと片山さんが登場してきて、笑っちゃった。2019/02/17
Mika K
16
これも小学生に借りた本。表題作を含む5編の学園ミステリー。表題作は中高生の頃に夢中で読んでいた三毛猫ホームズの片山刑事とホームズが!嬉しくなりました。どの話も面白かったけど、大人の時間の校長が許せない。でも岐子の母の対応にホッとした。また三毛猫ホームズシリーズ読みたいな。2018/09/22