内容説明
日本で私がもっとも驚いたのは、テクノロジーの進歩と、人間が行っていた仕事を代わりにこなすロボットの存在です。日本での体験を通じての結論は、近い将来、人類は人間による仕事をいまほど必要としなくなるだろうし、人類はそうした事態に備えなくてはならないというものでした。私は帰国後、スピーチのたびに日本という国について触れ、このことを話題にしています。二〇一六年四月、日本中で話題となった前ウルグアイ大統領ホセ・ムヒカ氏来日の公式記録。
目次
ムヒカさんの日本の旅
プロローグ ムヒカさんがやってきた!
第1章 来日記念の記者会見―世界はどこに向かうのか
第2章 ムヒカ夫妻に日本のいまを伝える―日本を通して考える人類の未来
第3章 東京外国語大学での特別講演―若い人へ
第4章 来日に同行したウルグアイのジャーナリストが語る―素顔のホセ・ムヒカ
第5章 東京外国語大学立石博高学長・宮地隆廣教授インタビュー―ムヒカさんのメッセージを読み解く
第6章 ムヒカさんに教わったこと―ムヒカさんとの八日間
第7章 ムヒカさんの新たなメッセージ―ウルグアイから日本の人たちへ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なかちゅう
9
メモとりながら読んでいたら、端折っても大学ノート6P以上になった。「地球サミット」の演説を絵本にした作者が、ホセ・ムヒカ氏の来日にあたって取材したムヒカ氏の言動や、同行者や関係者への取材をもとに、この先日本の社会でどのようにしたら良いかを作者なりに考察したもの。外語大で行った講演を関係者と考察したものなど、興味深いものが多数あったが、その中でも日本の若者たちの「自由なはずなのに自由がない」という言葉の考察で出てきた「チャレンジ」と「自己責任論」を使い分ける世間の事などが衝撃だった。2017/03/21
tellme0112
6
自分の幸せに気づき、生きがいのある人生に感謝したくなった。2017/03/19
キンセンカ
5
世界でいちばん貧しい、しかし誰よりも豊かな大統領のお話です。2017/04/22
佐藤光弘
5
友人に教えてもらった「世界でいちばん貧しい大統領」ホセ・ムヒカ前ウルグアイ大統領。「こんなすごい人がいる。憧れている」と熱く語る友人の顔を思い出して、図書館で手に取る。昨年4月に待望の来日を果たした際の動向と、氏の発言が詳しく、わかりやすく載せられている。「物事の本質を見つめてきた人の言葉はシンプルで深く、受け取る側が自身で掘り下げていくことを要求する。それらの言葉を自分のものにしていくには時間がかかるが、その時間を味わうことが自分を豊かにする」ーー珠玉の言葉の数々を味わい続け、身で読む自分でありたい。2017/03/11
Humbaba
4
相手は相手として尊重するが、自分のやり方はしっかりと守る。そうやって互いに尊重することこそが、互いが気持ちよく過ごすためには重要になる。例え相手のことを思いやっての行動であっても、それを矯正してしまっては本当の意味で相手のことを考えた行動にはならない。2017/04/13