内容説明
ユダヤ人がユダヤ人というだけで、地獄の苦しみをあたえられていた、第二次世界大戦中のドイツ。一人の男がユダヤ人の命を救うために立ち上がりました。彼の名は、オットー・ヴァイト。彼は目が見えませんでしたが、ナチスに立ち向かい、闘いつづけました。彼に助けられ、過酷な戦時下を生きのびたインゲ・ドイチュクローンが、「パパ」と呼んでしたったオットー・ヴァイトの功績を伝える絵本です。
著者等紹介
ドイチュクローン,インゲ[ドイチュクローン,インゲ] [Deutschkron,Inge]
1922年、ドイツ生まれのユダヤ人女性。第二次世界大戦中、オットー・ヴァイトの助けにより、戦時下のベルリンで生きのびた。数少ないホロコーストの生存者として、ドイツでは著名な存在で、証言活動を続けている
リューゲンベルク,ルーカス[リューゲンベルク,ルーカス] [Ruegenberg,Lukas]
1928年、ドイツ生まれ。ドイツの著名な画家・版画家カール・シュミット=ロットルフの弟子であり、マリア・ラーハ・ベネディクト会修道院の修道士でもある。ホロコースト、反ユダヤ主義、宗教などさまざまな問題に取り組んだ本、絵本で絵を描いている
藤村美織[フジムラミオリ]
東京都生まれ。学習院大学文学部ドイツ文学科卒業。1983年~1991年に日本DDR(東独)文化協会に勤務し、その後、フリーで翻訳に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ルピナスさん
57
裏表紙にユダヤ人の生活の自由剥奪の発令が幾つか記載されている。一番初めは「ユダヤ人は、スポーツや体操の団体から退会しなければならない(1933年4月25日)」実際にはもう少し前から国は不穏な空気に包まれていたと思うが、ユダヤ人がじわじわと追い詰められ排除されていった過程によくもこんな事が思いついたと憤りを感じる。そんな中、身近な人の心配事をなくそうと勇気ある努力を続けたヴァイトさん。目にする色々から目を背けないと生きにくい世の中で、見えない目で権力と向き合い人の命を救ったその行為・・・長生きして欲しかった2023/09/22
とよぽん
54
ほとんど目が見えないヴァイトさんは、盲人作業所を運営し、ユダヤ人を多数雇っていた。作業所の様子は明るく、楽しそう。ゲシュタポに苦しめられながらも、身の危険を顧みずヴァイトさんはユダヤ人を守り続けた。その原動力を知りたい。盲人作業所は、今は博物館になっている。それも素晴らしい。2020/08/18
たまきら
32
おかしいと思ったことをおかしいと言うことだって大変。そんななか、懸命に虐殺からユダヤ人の人々を守ろうとした人たちがいた。そして、彼らの努力で助かったからこうしてこの本が出来ている。自分ならどうする?何ができる?どこまでできる?暴力もおそろしいけれど、淡々と積み上げられていく理不尽な命令…それが記されている中表紙がおそろしかった。2020/12/16
どあら
24
図書館で借りて読了。ナチスドイツに立ち向かった人がいたことを知ることが出来て良かったです! しかもドイツに博物館まであるなんて、素晴らしいです!2018/09/28
gtn
23
人間性を失った体制に抗するには、ゲリラ戦しかない。綺麗ごとではない。2022/04/09
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