内容説明
一九四五年四月一日、アメリカ軍は沖縄本島に上陸し、猛攻撃をはじめた。日本兵約十一万人、沖縄島民約十五万人の命が奪われた後、戦争はおわった。だが、そのことも知らないまま、大きなガジュマルの木の上で二年ものあいだ、かくれつづけた男がいた。食べるものも、のむものもない、そんなところで男はいったいどうやって生きていたのだろうか…。沖縄戦の傷あとをえがくノンフィクション。
目次
1 アメリカ軍上陸
2 とり残されて
3 キジムナー
4 命こそ、宝
5 戦はつづく
6 夏の風が吹いた
7 手紙
著者等紹介
真鍋和子[マナベカズコ]
徳島県出身。図書館司書、中高教員を経て児童文学作家。日本児童文学者協会評議員。児童文芸家協会会員。主な作品に伝記、歴史物語、『シマが基地になった日』(産経出版文化賞)等、沖縄に取材した長編物語、絵本の作品も多数ある
高村忠範[タカムラタダノリ]
1954年、山梨県生まれ。和光大学人文学部文学科卒業。イラストレーター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
15
沖縄本島から北西へ約9キロメートルのところにある伊江島。沖縄戦の激戦地の1つ。その島で敗戦を知らず2年間木の上に隠れていた佐次田秀順さんと山口静雄さんの記録。一説では沖縄戦の戦没者は日本軍兵士が94136人、沖縄県民が94490人と言われているが、研究者の間では沖縄県民の犠牲者数は15万人以上とみられている。失った命は二度と戻ることはない。「ぬちどぅたから、命こそ宝」2021/09/28
ゆう
3
日本の中で唯一戦場となった沖縄。激しいい戦いで傷を負った戦友とともに、ガジュマルの木の上に身をかくした男のノンフィクション物語。想像もつかないが、この本には描ききれない様々があったことだろう。小学校高学年から。2015/08/30
ちゃーぶー
2
戦後70年という節目に当たり、たくさんの書物や映像が出回りましたが、今年だけでなくずっと戦争について考えていくようにしないといけないなと感じています。2015/09/01
ゆかり
1
映画「木の上の軍隊」が実話であることから本著にたどりつく。映画は井上ひさし氏の脚本が元であるが、本著は当事者の実体験をを子供にもわかりやすく書かれたもの。沖縄本島の西10キロにある伊江島で、終戦を知らずにガジュマルの木の上で2年間も隠れて過ごした日本兵二人の物語。戦争からは何も産み出されるものはないと、改めて思う。にもかかわらず、世界では戦いが絶えない。島民への日本軍の愚かさに怒りと悲しみを感じるし、決して忘れてはいけない、忘却は愚かな決断を繰り返させてしまう。やなせたかし氏の「正義は逆転する」を思い出す2025/05/25
Y子
0
一人の話しと思ったら二人だったのか。2017/06/30
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