出版社内容情報
いつも広い世界を見せてくれるノンフィクション作家・川内有緒、初のエッセイ集。
『パリでメシを食う。』でデビューし、『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』で「Yahoo!News|本屋大賞ノンフィクション本大賞」を受賞した川内有緒が、連載していた日経新聞、雑誌「ひととき」など、さまざまな媒体に寄稿したエッセイをセレクトして収録。
メキシコの走る民族、飼っていた2匹の個性的な猫、大反響を巻き起こした「荒れた海で愛を叫ぶ」……。海外での驚くべき旅や出会い、日常に潜む冒険、死生観などを綴り、読者を新しい場所へ誘う。
ユーモラスで味わい深い文章に、温かな感情が湧き上がる。なぜか一歩を踏み出したくなる川内有緒ならではの一冊。
川内さんは丸腰で荒海に飛び込んでいって、宝物のような出会いをつかみ取ってくる。
この本そのものが、冒険で、旅なのだ。――岸本佐知子(翻訳家)
並外れた行動力と筆致。見たことない球をぶんぶん投げてくる。――こだま(作家・エッセイスト)
【目次より抜粋】
第一章 コスタリカのバスのなかで
夢見る島のハンモック
精霊たちのしわざ
走れ! シエラ・タラウマラ
第二章 エレベーターのボタンを全部押さないでください
ブックス海があった頃
二匹の猫
第三章 レモンを置きに京都まで
ただ本屋に寄っただけ
向田邦子を追いかけて
太陽の塔と危険な読書
第四章 午前四時の試写室から
天国よりも奇妙な場所
女にも名前はある
初めての家出記念日
第五章 声枯れるまで叫ぼう
深夜の奇妙な演奏会
画面の中の孤島
ママ、パスポートはどこ?
冒険家になる人生とならない人生
第六章 未完成な人生に花束を
曇り空の流星観測会
心臓の音を保存する島
アイラブユーと言われたい
荒れた海で愛を叫ぶ
【著者プロフィール】
川内有緒(かわうちありお) ノンフィクション作家。1972年東京都生まれ。日本大学芸術学部卒業。米国ジョージタウン大学大学院で中南米地域研究学修士号を取得。アメリカ、日本、フランスにて、国際協力分野で12年間働く。2010年以降、東京を拠点に執筆活動。『バウルを探して 地球の片隅に伝わる秘密の歌』で新田次郎文学賞、『空をゆく巨人』で開高健ノンフィクション賞、『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』でYahoo!ニュース 本屋大賞|ノンフィクション本大賞を受賞。ドキュメンタリー映画『目の見えない白鳥さん、アートを見にいく』の共同監督を務める。「生まれ変わったら冒険家になりたい」が口癖。
内容説明
2012年、ブラジルのリオデジャネイロで国際会議が開かれました。環境が悪化した地球の未来について、話し合うためでした。世界中から集まった各国の代表者は、順番に意見をのべていきました。しかし、これといった名案は出ません。そんな会議も終わりに近づき、南米の国ウルグアイの番がやってきました。演説の壇上に立ったムヒカ大統領。質素な背広にネクタイなしのシャツすがたです。そう、かれは世界でいちばん貧しい大統領なのです。給料の大半を貧しい人のために寄付し、大統領の公邸には住まず、町からはなれた農場で奥さんとくらしています。花や野菜を作り、運転手つきの立派な車に乗るかわりに古びた愛車を自分で運転して、大統領の仕事に向かいます。身なりをかまうことなく働くムヒカ大統領を、ウルグアイの人びとは親しみをこめて「ペペ」とよんでいます。さて、ムヒカ大統領の演説が始まりました。会場の人たちは、小国の話にそれほど関心をいだいてはいないようでした。しかし演説が終わったとき、大きな拍手がわきおこったのです。
著者等紹介
くさばよしみ[クサバヨシミ]
艸場よしみ。編集者
中川学[ナカガワガク]
1966年生まれ。浄土宗西山禅林寺派僧侶。1996年よりイラストレーションの仕事をはじめ、数々の書籍の装幀画や挿絵に作品を提供している。著書「繪草紙龍潭譚」&「絵本化鳥」で2013年アジアデザイン賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
馨
HIRO1970
mitei
seacalf
めろんラブ