感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
163
家族模様、周りからの非難、ふとした小さな幸福、残酷な現実。第一巻から非情であり苦しい読書。大人になって読むと捉え方が異なる。生々しい現実を遠ざけて生活していると、望まない事が起こってしまったときに心の置き場を失ってしまう。だから本を読んで備えている。誰もが大切な人を守りたい。争いなんてしたくない。平穏のままがいい。平和への道を模索している。確かに辛い場面は多い。この作品に限らず、その時代表現を今の事情に当てはめて否定するのは不公平かと思う。一つの事実であるから。この状況下での思いやりと助け合いに救われる。2023/11/28
zero1
62
戦争は身体だけでなく人々の精神も破壊する。そして原爆は人間らしく生きること、死ぬことを許さない悪魔の兵器。反戦の父は【非国民】と呼ばれた。朝鮮人への差別や兄、浩二が見た軍隊の現実。ゲンの住む広島に運命の8月6日が来る。テニアンを離陸したエノラ・ゲイが投下した【リトル・ボーイ】で広島は死の街に。ゲンの父や姉、弟は柱の下敷きに。そこへ火が襲う。次の巻では更なる苦境がゲンたちを待っている。この作品を閲覧制限した島根県松江市を深く憎む(後述)。毎年8月に紹介したい作品。読んだ後、【日本も核武装が必要】と言う?2020/08/04
みゃーこ
54
濃い!濃いな~!そして深い!この作品は不朽だろう…そう思う。2013/01/17
ゆいまある
27
8月6日らしいことを今年は何もしていないので、待合室に全巻置いてあるはだしのゲンの1巻だけ再読しました。小学生の頃から何度も読み返しているので「わしゃうろんがええよ!」とつい進次の台詞を先取りしてしまいます。実父と不仲だった私は元の父ちゃんを理想の大人と考えて育ちました。親になった今も、元の父ちゃんの気持ちを思うとやっぱり泣けてきます。どんなに人に馬鹿にされても、元の父ちゃんのように(おばちゃんだけど)これからも生きたい。平和を祈って。2018/08/06
シッダ@涅槃
26
とにかく読ませますね。もともとジャンプの少年劇画だったのだ。正直、もっと恐ろしい本(ホラー的な意味で)だと思ってただけに。元たちのよく歌う俗謡や浪曲に彼らのたくましさが象徴されているよう思うし、また、作者はよく覚えていたり採取したりしたものだと感心する。しかしルンペン稼業はミミズのうどんくって月月火水ノミだらけ……ちょい汚い^^;。2018/07/28