内容説明
文学一筋を貫いたなら、名だたる文学者になっていただろう閃きある作品を時雨は残している。自分のことより、女性が人間扱いされない時代に、“人格が認められる生き方”を女性たちができるようにと奔走した61年の生涯。
目次
明治の日本橋はナウかった―『旧聞日本橋』『東京開港』の頃
劇作家として出発の頃―「海潮音」「花王丸」『日本美人伝』『臙脂伝』の頃
歌舞伎の世界に浸って―「操」『さくら吹雪』「桜吹雪」「桜ふぶき」の頃
下町の作家、時雨―「足利尊氏」『さくら吹雪』の頃
ともに歩む二人―『美人伝』『情熱の女』『名婦伝』の頃
修羅のとき―『時雨の日記』『動物自叙伝』の頃
坩堝の中で―『現代戯曲全集』の頃
『女人芸術』華やかに発刊―『女人芸術』創刊の頃
疾風のとき―『女人芸術』昭和三年七月~七年六月の頃
仲間たちと―『処女時代』の頃
苦難のときへ―『春の鳥』の頃
『輝ク』初期の頃―『旧聞日本橋』『草魚』の頃
『近代美人伝』―『近代美人伝』の頃
三上於菟吉倒れる―『春帯記』『評釈 一葉小説全集』『随筆 桃』『随筆 きもの』の頃
長谷川時雨が遺したもの―『紅燈和蘭船』『時代の娘』『働くをんな』『長谷川時雨全集』の頃
時雨讃歌―『長谷川時雨全集一巻』の頃
著者等紹介
森下真理[モリシタマリ]
東京日本橋に生まれ育つ。時雨の文学・気風に傾倒し顕彰につとめ、中央区タイムドーム明石内の資料館に資料全部を寄贈。日本児童文学者協会評議員、日中児童文学美術交流センター理事、日本ペンクラブ、日本文藝家協会、日本歌人クラブ、星座一歌とことばの会、会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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