内容説明
深刻さを増す子どもの虐待と子どもの貧困。「いやな世の中だね」で片づけるのはもうやめたい。二つの問題を切り離さないイギリスの取り組みから学んだこと。そして日本国内でみつけた、あきらめないですむための処方箋。
目次
第1部 イギリスの子どもサービス―包括的な展開(子ども保護サービスの実際;子ども保護のための研究と教育;家族支援の政策)
第2部 日本の子ども保護サービスと展望(日本の子ども保護サービス;日本の可能性:横須賀方式の検証;日本の子ども保護サービスの発展可能性)
資料編
著者等紹介
伊藤淑子[イトウヨシコ]
専門は社会福祉学。博士。上智大学文学部卒業。日本女子大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得修了。1973~93年、東京都立病院において医療ソーシャルワークに従事。現職は北海学園大学経済学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆう。
20
子どもの虐待や貧困について、社会的排除をキーワードにイギリスの現状と、そこから日本への示唆は何であるのかを研究した本です。虐待について、具体的問題が起きてから動き出すのではなく、リスクがあると判断した段階から動くイギリスの例は、日本にも学ぶべき点があるのではないかと思いました。著者は、保健師とソーシャルワーカーの養成課程を分析し、日本における子どもの保護のフロントラインは保健師に委ねるほうがいいと分析しています。そこには社会福祉専門家養成に対する反省を迫るものもあると僕は読みました。2015/03/01