内容説明
奇才・マッテゾンによる「音楽入門」。当時の聴衆・アマチュア音楽家に向けて書かれた、最初期の著作。楽譜の読み方、流行の曲種、様々な楽器、イタリア・フランス音楽との比較。18世紀前半のドイツ音楽界を知る貴重な書。
目次
音楽の頽廃とその原因について
第1部 呼称法 あるいは音楽作品に関係する事柄や記号について(数比による諸音程;記号全般について―特に音楽におけるクラーヴィス、すなわち音部記号について;特に拍子について;音符,休符,その他の記号について)
第2部 作曲法 あるいは音楽の作曲と対位法それ自体について(協和音程・不協和音程の一般則について;協和音程の特別則について;不協和音程の特別則について;音楽の様々な様式および種類について)
第3部 判断法 あるいは音楽において諸事をいかに判断すべきか(現代のイタリア、フランス、イギリス、ドイツの音楽の違いについて;音楽の調について―情念の表出における属性と作用;楽器について)
著者等紹介
マッテゾン,ヨハン[マッテゾン,ヨハン] [Mattheson,Johann]
1681‐1764。ハンブルクで活動した作曲家・オペラ歌手・音楽理論家・編集者・外交官・オルガニスト。尋常ならざるエネルギッシュかつ博覧強記な著述家であり、主要な大著だけで20冊を数え、同時代の音楽に関する話題を余すところなく論じ尽くした。また無慈悲な論客としても知られ、多くの論敵が公開誌上論争に斃れていった。流行の軽易洒脱な作風を支持して重厚長大な様式に反対し、感性主義の立場から伝統的な数比論を非難した。18世紀前半の音楽思想やドイツ楽壇を知る上で『新しく開かれたオーケストラ』『完全なる宮廷楽長』といったマッテゾンの著作群は必読必携である
村上曜[ムラカミヨウ]
東京都出身。京都大学工学部物理工学科卒、京都大学大学院工学研究科修士課程修了、グラスゴー大学Ph.D.課程修了。Ph.D.(航空宇宙工学)。放送大学修士課程修了(美学)。英国王立音楽検定ディプロマ取得(チェロ演奏)。日本音楽学会会員。信州大学工学部助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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