内容説明
奇人・変人・記録の虫、野球記録に生涯を賭けた男。
目次
野球狂への道(山内佐助商店;数字の魔力;慶応野球部;松江の野球)
プロ野球の始まり(一九三六年;野球成績早見表;「以九士」誕生;奇人・変人―山内以九士という男)
敗戦と再出発(戦争と野球;再開;快記録・珍記録;台風と大火)
光と影(二リーグ分裂;ベースボール・レディ・レコナー;「記録のことならパ・リーグに聞け」;高まる名声と生家の悲劇;もう一人の「記録の神様」)
未完の記録(引退;終焉;山内以九士が残したもの)
著者等紹介
室靖治[ムロヤスジ]
1967年兵庫県生まれ。都立武蔵高校、千葉大学法経学部卒。90年に読売新聞社(現・読売新聞東京本社)に入り、富山支局、生活情報部、福島支局、人事部、読者センターなどを経て現在は編集局デジタル編集部所属(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kawa
27
ロッテ・佐々木投手の達成した最年少完全試合。この快記録もプロ野球発足以来の試合のデータが整備保管されていなければ認定できないこと。本書は、野球公式記録員として規則や記録の整理・研究に一生を捧げた山内以九士(やまのうちいくじ)氏の評伝。この本を読むまで記録員なる存在も知らなかった。正に縁の下の力持ち的仕事。そしてこの人の生き方や趣味、「奇人・変人」と言われるほど個性的。「空気を読まないタイプ」の一徹人間の素晴らしい業績。正に「一隅を照らす」、色々な人がいて世の中は回っているのですね。2022/08/30
gtn
26
プロ野球草創期から、記録整理に没頭し、人生の大半をそれに費やし、先祖からの家業も屋敷も失った山内氏。おそらく、早い時期に、野球そのものより、記録発掘への興味が上回ったに違いない。途中で放棄できないというのも「凝り性」の特徴。2022/09/19
Masaki Maruyama
1
プロ野球記録の神様といえば宇佐美徹也氏。本書はその神様の師匠の評伝。著者はかつてのわが同僚ながら、当時は「神様の師匠」の孫とは知らず。民俗学者のスポンサーに徹した渋沢敬三氏の生き方を思い浮かべつつ読むと、敬三氏の叔父・秀雄氏が「神様の師匠」にインタビューしたとあり、びっくり。読売新聞で長く競馬予想を担当し、大川慶次郎氏を「大川クン」と呼んでいた「競馬の神様」の先輩たる瀬上保男氏も、元は「神様の師匠」と同じ記録員だったのも初めて知った。敬三氏は栄一の孫、秀雄氏は四男、慶次郎氏はひ孫。本書とは関係ないけど。2022/07/22
トライ
0
記録の神様達の師匠格の神様の人生を追ったノンフィクション。変わり者で凝り性でないと勤まらない。一時期のプロ野球の記録が東松原に集積していたのもはなんか嬉しかった。「交通の便がいい」ってあったけど川崎球場から東松原に来て町屋に帰る千葉功さんとか大変すぎたよな…。もし現在生きていたらなんとも微妙なNPBの記録のデジタル化についてどんな意見を述べるか聞いてみたいとこです。笑って終わりかなw2023/04/24
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