出版社内容情報
幼稚園年長組になっても一人で歩かない子ども、落ち着きがなく母親の財布からお金を盗る男児、不登校や家出を繰り返す中学生、高校生… カウンセラー歴40年の著者がこれまでに立ち会ってきた、さまざまな子どもたちやお母さま方の相談事例を元に、乳児期から思春期までの子育てについて何が大切なのか、何がポイントになるのか、優しく平易な文体で語っています。
第一章 基本的な考え方
第二章 子どもの発達について
(1) 乳児期 基本的な信頼感が育つ
(2) 幼児期 自立心が育つ
(3) 学童期 活動性が育つ
(4) 中学生期(思春期前期) 自発性が育つ
第三章 臨床の窓
事例一 知能のおくれがあるのではないか
事例二 指しゃぶりをする
事例三 落ち着きがなくお金を盗る
事例四 家出をくりかえす十六歳
事例五 不登校 他
第四章 まとめと提案
私が、江戸川区教育研究所に在籍していたころ(昭和四十二年一月~昭和六十三年三月)、不登校の児童・生徒が十年間に二倍に増加し、生徒の学校での暴力沙汰も戦後何回目かのピークをむかえるなど、問題は枚挙にいとまのないありさまでした。
そのころ、有識者のなかで、幼稚園教育では遅すぎる、もっと早く、母親の胎内にいる零歳児からの、母親教育が必要なのではないか・・・と、私たち相談員は、それらの声に呼応して「母親教室」を作り、江戸川区の各地に母親啓蒙といっては言い過ぎになりますが、お母様方ともっと密接に、親子の関係について、話し合いをもちたいと、母親の意識革命に動きはじめました。
その時の演題が「子育てのポイント」で、わかりやすく、いますぐにでも実行できるものを提供して、地域のお母様方に、安心して子育てができるようにと、大海の一滴ではありましたが、地区めぐりを続けてまいりました。江戸川区教育研究所を退任致しましても、今日まで、講演依頼がありますと、ライフワークとして「子育てのポイント」について、講演をしてまいりました。
今年も成人式に参加する新成人の方々をテレビで見ていますと、一部の人ではありますが、社会人とは程遠