内容説明
学習指導要領の改訂をめぐって、「学習指導要領のあり方」そのものを原理的に問いながら、教育実践の方向性を「教育のスタンダード化」にかかわって具体的に検討。
目次
第1部 学習指導要領のあり方を問い直す(学習指導要領の原理的考察と今次改訂の特質;グローバル化の中の次期学習指導要領の特質;資質・能力ベースのカリキュラム改革と教科指導の課題 ほか)
第2部 教育のスタンダード化と教育方法学の課題(教育の「定型化」に挑む教育実践研究の歩み;授業のスタンダード化と教育実践の課題;授業のスタンダード化と教師教育の課題)
第3部 教育方法学の研究動向(「エビデンスに基づく教育」に関する研究の動向;多様な文化的背景の子どもたちに対する教育に関する研究の動向と今後の課題)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鵜殿篤
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教育方法学会だけあって「教育方法」に関して、「主体的・対話的で深い学び」というような「教授方法」のスタンダード化が一方的に押しつけられることへの懸念が表明されている。教え方の制度化・形式化の傾向が強まると、様々な個性的な取組みが一様な官製用語で塗り固められ、実践を語る語彙が貧困化し、教師の自律性が奪われると同時に、授業から子供たちの生活の文脈が失われ、学校のリアリティが無視される。果たして学習指導要領で「主体的・対話的で深い学び」というふうに「教え方」まで規定すべきなのだろうか?2017/11/27