内容説明
本書はマッカーサー元帥を中心に書かれたものだが、同時に米太平洋方面軍の対日作戦とそれに続く占領の記録であり歴史資料としても貴重なものである。元帥が原爆や天皇をどう評価していたかも率直に伝えている。
目次
元帥との出会い
総司令部の診察室
アドミラリティ諸島への上陸作戦
初体験の上陸作戦
参謀長の浮気で副官に任命
レイテ島上陸作戦
タクロバンの総司令部
浮気やめぬ参謀長を叱責
“カミカゼ”攻撃の恐怖
ルソン島への帰還〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Toska
14
著者はマッカーサーの元副官兼司令部付軍医。本職は医者であるため軍の価値観から距離を置き、フラットな視線で従軍経験を振り返っている。マ本人についても、深い敬意を払いつつ客観性を失わない味のある描写。フィリピン反攻時、マがバターンで無謀な陣頭指揮を行い、これで「三年の心のうずき」が癒やされたと述懐したくだりなどは彼の心境を鋭く捉えている。司令部職員のメンタルヘルスに気を配り、モロタイ島上陸時にはマラリア対策のため飛行機で殺虫剤を散布する等々、米軍の衛生観念に関する記述も興味深い。2024/06/26