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内容説明
本にとって、転換点といえる今、岩波書店の物語をたどりながら、出版100年を振り返る。「信濃毎日新聞」に連載された「本の世紀―岩波書店と出版の100年」を加筆・修正し、永江朗氏による解題も特別収録した充実の内容。出版の近現代史を知る1冊としても必携の書。
目次
岩波茂雄生誕地・諏訪の「信州風樹文庫」―読書の力で地域文化発信
東日本大震災と雑誌『世界』―「生きよう!」に思い込め
競争激しい新書の編集―「教養担う」期待に応え
若き日の茂雄の悩み―教養路線の精神的支柱に
初の出版物は『こゝろ』―茂雄に通じる漱石の気骨
命運託した『哲学叢書』成功―生き方問う若者らを魅了
関東大震災からの復興―需要増の中「良書を」貫徹
低価格化の波 岩波文庫創刊―名著手軽に…高めた「知熱」
マルクス主義の学問的・研究的な紹介―言論・思想統制と闘い続け
時流にあらがう精神 岩波新書創刊―生きた問題を平易に解説〔ほか〕
著者等紹介
永江朗[ナガエアキラ]
フリーライター。1958年、北海道生まれ。法政大学文学部卒。81~88年、洋書輸入販売会社・ニューアート西武勤務。89~90年雑誌「宝島」および「別冊宝島」編集部在籍。93年からライター専業に。日本文藝家協会理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
23
信州風樹文庫が整然と並んでいる本棚と思ったら、中洲小学校の児童が丁寧に掃除しているとは知らなかった(011頁)。気持ちよく利用できるのがよい。ここは教養文化の象徴的な存在である(015頁)。ワーズワースの低く暮し高く想う。正義は最後の勝利者なり(030、059頁)。岩波文庫の累計の売り上げ上位10作品(052頁)。プラトン『ソクラテスの弁明・クリトン』→漱石『坊ちゃん』→ルソー『エミール上』→『論語』→漱石『こころ』→中勘助『銀の匙』→マルクス、エンゲルス『共産党宣言』→西田幾多郎『善の研究』、 2015/12/05
しげパレード
2
『本の世紀 岩波書店と出版の100年』読。岩波書店の歴史とともに、時代背景や出版界の流れを追った一冊。創業者の岩波茂雄の地元ともいえる信濃の新聞の連載をまとめたものだから、流れ切れてたり郷土の話多いけど短編みたいにさくさく読める。激動の時代の信念が現代にも継承されてることを知れる。2015/10/26
呑司 ゛クリケット“苅岡
0
岩波書店が出版を通して文化に資する道を100年に渡って解説している本。新聞に掲載したものをまとめてあるので、読みやすい。著作の中で文化の配達人と言う役割の街の本屋がどんどん無くなっている現在、本を購入するのはAmazonとなった。取り寄せの時間も掛からず手元に配達までしてくれる。安く買いたいならブックオフ。そして、公共図書館の頑張り。1番気になったのは、大衆に文化が足りず戦争になったと言う一文。果たして今の大衆は戦争を止めることが出来る程、文化的になっているのだろうか。為政者の誤魔化しに気付いていない。2022/06/02