内容説明
「偉大なオーストリア小説」の欠落をめぐり、ゲーテからムージルまでの時代を展望して、19世紀の知られざる作品を数多く取り上げ、文学と思想の両面から、ヨーロッパの「近代」の散文の問題に迫る。
目次
「偉大なオーストリア小説」―問題の設定
「教養小説」の概念
チャールズ・シールズフィールドのアメリカ
不在の音楽 グリルパルツァー―『哀れな辻音楽師』を中心に
言語と非人間性 シュティフター
娘たち エーブナー=エッシェンバッハ
補説 仮面と反復 ネストロイにおける喜劇性―『おまもり』を中心に
二人のレーニ アンツェングルーバー
フェルディナント・フォン・ザールと「モデルネ」の散文
ローベルト・ムージルの選択―『生徒テルレスの惑乱』を中心に
「偉大なオーストリア小説」ある不在―『特性のない男』を中心に
詩と政治
著者等紹介
原研二[ハラケンジ]
1951年、宮城県生まれ。専門は近代のドイツ・オーストリア文学。1976年東北大学大学院文学研究科博士課程前期二年の課程修了。2005年現在、東北大学大学院文学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。