内容説明
18世紀半ば以降、市民階級の自覚により、ノヴェレは次第にその評価を高めてゆき、やがて真の悲劇性を獲得し、演劇等一流ジャンルに伍しうるようになった。本書では、H・クライストの作品分析を中心に据え、前後に概論と前文、展開と終焉を作品研究の形で置き、ドイツ近代ノヴェレの本質と変容の外観を、各時代の文学思潮にも出来るだけ視野を広げながら、全章にわたりドイツ文学史上の代表作品を配置、論及した。
目次
序論 ドイツ近代短篇小説の歴史と本質素描―個と世界の邂逅
各論 作品研究(両極相関の基本形態;両極相関の諸相と変容 その1―クライストの場合;両極相関の諸相と変容 その2―他の作家たちの場合;両極乖離の命運)



