内容説明
NHK大河にも登場する坂崎が著した日本初の龍馬伝。待望の現代語訳版。国民的名作小説『竜馬がゆく』ほかすべての龍馬ブームのこれぞ原点。
目次
駆けだした「汗血千里の駒」
龍馬の剣と恋
剣術巡業
脱藩者
勝の慧眼
伏見の女将軍とお良
薩長同盟と襲撃事件
我が国初の、新婚旅行と海軍実戦
海援隊誕生
奔馬のいななき
天に駆けのぼった「汗血千里の駒」
著者等紹介
坂崎紫瀾[サカザキシラン]
嘉永6年(1853)‐大正2年(1913)。本名、坂崎斌。江戸鍛冶橋の土佐藩邸で藩医の息子として生まれる。漢学を基礎とした幅広い教養を活かし、自由民権運動家、法律家、新聞記者、歴史小説家、漢詩人、講釈師等として活躍。明治十六年、高知の『土陽新聞』に発表した連載小説『汗血千里の駒』は、初めて坂本龍馬を題材にした作品として人気となり、単行本化されるやベストセラーに。龍馬ブームの先駆けとなり、また同書に出てくる龍馬の新婚旅行(ホネー・ムーン)も日本初ということで、反響を呼んだ
中村茂生[ナカムラシゲオ]
高知大学、高知女子大学非常勤講師、早稲田大学移民・エスニック文化研究所客員研究員。NPO地域文化資源ネットワーク理事長。高知県在住
磯田和秀[イソダカズヒデ]
岐阜女子大学、岐阜県立看護大学非常勤講師、成城大学民俗学研究所研究員。NPO地域文化資源ネットワーク理事。奈良県在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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国士舘大学そっくりおじさん・寺
7
龍馬没後初の伝記小説の現代語訳。。同時期に発売された金谷俊一郎訳『真・龍馬伝』が原作のリズムを見事に生かした完訳であるのに対し、龍馬達が土佐弁で喋るこの抄訳は超訳に近い。『汗血千里の駒』は龍馬を中心としながら、土佐の人物列伝の側面があるのだが、この本は龍馬の活動だけを訳して一冊にしたもの。だからまあ薄く読み易い。その割に龍馬のインチキ占い師退治の話はカットされている。現在のオーソドックスな龍馬伝を読み慣れた者には、読みながらちょっと引っ掛かる誤った情報や美化や創作部分から生じる違和感に逆に幕末明治らしさを2011/12/31
Yuichi Yamasaki
6
大河ドラマ《龍馬伝》は、明治の岩崎弥太郎に新聞記者の坂崎紫瀾が取材を申込む所から始まった。岩崎弥太郎が語る坂本龍馬は高知県の地方紙、土陽新聞に連載され明治期のベストセラーになった。その連載が汗血千里の駒。これを読んで司馬遼太郎も竜馬像を思案したそう。この本は現代語に訳され、内容も原文の6割程度になっているそうだが龍馬伝や竜馬がゆくとは違う、坂本龍馬が世にはじめて主人公として描かれた文学として、とても楽しめた。2015/03/07
michu
1
「竜馬がゆく」から龍馬好きに入った身としてはかなりのダイジェスト版。ちょっと物足りないかな?でもこの作品のおかげで龍馬の功績が発掘され、竜馬がゆくの執筆にも繋がるのだから感謝感謝。現代語訳は読みやすく素晴らしかった。2018/08/06
紫
1
坂本龍馬像の原点になった初の伝記小説の現代語抄訳であります。いろいろカットして原書の6割程度に圧縮、文章は平易で、児童向けの偉人伝記本のような感じで読めます。龍馬の行動中心に構成したため、何だかかえって時代の動きや流れが分かりづらくなっているのが残念。当時は存命だった人物や店もまたまだ多かったのでところどころで名前が差し替えられているのですが、その一方で、徳川慶喜と龍馬を対面させたり、千葉さな(本書では光子)とのロマンスが夢オチだったり、平然とフィクションをぶっこんでいます。実録本のノリですな。星4つ。2017/05/10