内容説明
梅本さんの江戸市井小説は、江戸の空気と人間を描いて独特のリアリティを感じさせる作品が多く、長篇「浮寝の花」にもその長所はよく出ているように思われる。女流新鋭渾身の書き下ろし時代長編!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
山内正
3
米松と会い帰ると部屋の障子が破れていた おけいは着替えをし衣桁に掛けた、三吉が最後の湯に入り 戸締まりした夫が戻り寝屋に 今日は何か有ったかと聞かない 妻を抱き知らない格好をさせ声を挙げるおけいの声で昂ぶって果てた 縫物のおけいの前に塀を越えて来た 六助が米松と会う段取りをするだけ でいま金が欲しいと初めて言った 十五年何も無かった暮しが 米松と会うだけの気持ちが堪らない 手代が吉原で六助と会い 相手は本気じゃ無いと言ったら 嘘だって良いんだよと話した時 夫が帰った お帰りなさいましと答えた2019/11/18
山内正
3
息子とこうして話せないおけいは きょうは花見で話し合う 息子の姿を夫は目で追っている時 横に死んだはずの兄がいた女の人と 兄の店に何度も来ていた娘が嫁に行くと知った 兄はお前長生きして幸せに成るんだ 嘘の理由で家をでた 店の二階で 暫くだったね旦那も居るのにと 米松が昔話をあの声で言う 十五年ぶりの変わりようだと米松は 笑ったが 荒んだ気がした おけいは昔の気持ちが欲しかった 帰り道傘を指した女の顔を見て 花見の女だと あのーと訳を話したら 兄の昔好きな人だった 兄だと思って花見に来ています 2019/11/10
山内正
2
夕べ六助さんが死んだと驚く 夫作兵衛はまだ怒っている 六助は花魁を身請けすると借りた金を出すが気が変わったと断られた 女房のおまつが六助に渡した着物と簪を返しにきた 金は室津屋の米松からだと知る 米松は家も女房娘を捨て 江戸を出ると清々しい顔をした 私は漬物の石で一生終る筈でした 江戸を離れ行商するつもりだと 私も嘘の言い訳で家を出てきたんです 連れて下さい私を!2020/06/05




