- ホーム
- > 和書
- > 芸術
- > 絵画・作品集
- > 絵画・作品集(西洋)
出版社内容情報
1919年までの「形而上絵画」、画風を一変させる「技術への回帰」、そして以降も続くデ・キリコの表現と人生を追いながら、ショーペンハウアーやニーチェの哲学、早逝した父へのオイディプス・コンプレックス的な葛藤という観点から、デ・キリコが描いた「謎」に迫る。
内容説明
謎を愛した画家は何を描いたのか―。デ・キリコの人生と作品変遷を追い、その表現をひも解く。
目次
第1章 0~21歳 1888‐1909 父の死―旅のはじまり(アテネ、ミュンヘンでの修業、そしてミラノへ)
第2章 21~31歳 1909‐1919 形而上絵画―「謎としての世界」を描く(ニーチェ、ショーペンハウアーの影響のもとで;パリへの移住とサロン・ドートンヌへの出品 ほか)
第3章 31~41歳 1919‐1929 技術への回帰―マティエールの追求へ(古典絵画の研究;ナルシスティックな自画像たち ほか)
第4章 41~90歳 1929‐1978 オデュッセウスの帰還(奇妙な洗礼の場―神秘的浴場;オレステスはどこへ向かうのか ほか)
著者等紹介
長尾天[ナガオタカシ]
1980年、東京都生まれ。早稲田大学大学院文学研究科芸術学(美術史)専攻博士課程修了。専門はシュルレアリスム、20世紀美術史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ズー
14
展示を観てから、だいぶ時間が経ってしまったがようやく読めた!これ読まずに絵だけ観てたら、こんな色々な考えで描かれていたって分からなかったな。すごく哲学的。思えばそもそもじっくり1人のアーティストに対して知識を深めることもなかったので、他の方々もこんな色々考えながらやっているのか?にしてもキリコは特殊だとは思うけど。それぞれの作品に続きがあるような感じ。関連性がすごい。よくも飽きずに…狂気!と思う。かなり人付き合いに難がありそうだけど納得。めちゃ気難しそう。だからこその傑作。2024/09/16
takakomama
6
東京都美術館の「デ・キリコ」展の予習。ニーチェ、ショーペンハウアー、カント。哲学的な解説が多くて難しいです。 読み終わっても謎は謎のままで、わからない・・・2024/06/17
ひつじ
4
斜め読み 「詩人の悦び」「赤い塔」「通りの神秘と憂愁」「神秘的な小室」が好き シュルレアリスムの一派にいてたけど後に決別したって書いてあってあぁ~~~~~(学生運動とかもそうだけど、人数が増えて徒党を組んで大げさなことやり始めるとなんか急に寒くなるよね)と思った2024/08/22
ありんこ
4
タイトルにあるように、もっと知りたいと思って読んでみました。自画像、形而上絵画、古典絵画、パロディなど、デ・キリコの作品を年代別に紹介しています。小説も書いていたんですね。すごい才能です。2024/07/14
ヨハネス
4
実は図書館の順番を待ちきれず先にキリコ展に行ってしまったのだが、展覧会になかった絵を追加してこれで鑑賞できるのでこの順番でもよかったと思う。解説で、ある意味謎解きもできるのだが、あとがきでは「謎を謎として見てほしい」とのことだ。展覧会では「ギリシャ生まれだったのか」と驚いたが結局どこの国の血を引いているのかわからず、ここで明確に読めたのもよかった。2024/06/05