出版社内容情報
2022年から23年にかけて、展覧会が全国を巡回し、死後25年を経てなお変わらぬ人気を証明した芸術家・岡本太郎(1911~96)。その芸術家像は、作家自身や長年の秘書・岡本敏子から語られたものをもとに形づくられ、なにより停滞を突き破るエネルギッシュな言葉がその芸術同様多くの人々を引きつけてきた。そのような中、本書では太郎の創作活動について、とりわけ作品の図像と作家などによる言説の関係性に注目し実証的に考察するという、従来とは異なるアプローチをとる。このことで、数ある岡本太郎関連書とは異なる、新たな岡本太郎像の提示を目指す。川崎市岡本太郎美術館で学芸員を務めた著者の長年の研究成果をまとめた一冊。
内容説明
敗戦に打ちひしがれた日本国民を歓喜へと導いた“シャーマン”岡本太郎。人間性の回復へと導いたその“呪術=芸術”の秘儀とは?誰も語ってこなかった作家像と芸術に肉迫する。
目次
序章(岡本太郎―生涯と作品;岡本太郎研究小史)
1章(岡本太郎の画面構成;岡本太郎と「潜在的イメージ」)
2章(岡本太郎のシャーマニズム―ミルチャ・エリアーデの影響;“傷ましき腕”の研究;“太陽の塔”の研究―ミルチャ・エリアーデの影響)
3章(クルト・セリグマンと岡本太郎;イサム・ノグチと岡本太郎―越境者たちの日本)
4章(岡本太郎と『日本の伝統』;岡本太郎と『沖縄文化論』―沖縄から大阪万博へ)
終章 目指された人間性の回復
著者等紹介
佐々木秀憲[ササキヒデノリ]
元川崎市岡本太郎美術館学芸員。博士(文学)。1961年佐賀県佐賀市生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科前期博士課程修了(文学修士)。有田ポーセリンパーク取締役学芸室長、大英博物館日本美術部客員学芸員(2000年)、オックスフォード大学アシュモレアン美術館客員研究員(2001年)、川崎市岡本太郎美術館担当係長(学芸)を歴任。中世から現代に至るまでの東西芸術史の人文科学的考察に関する論著多数。2020年、帝京大学大学院文学研究科より博士(文学)学位授与。所属学会に美学会、美術史学会、日本宗教学会、ジャポニズム学会(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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