内容説明
柳宗悦と河井寛次郎、濱田庄司ら仲間たち…民藝によって暮らしのあり方を考え、「ほんとうの世界」を伝えようとした彼らの熱気がここにある。民藝を知るための入門書。
目次
第1章 柳宗悦の生涯とその仕事(『白樺』の頃;朝鮮の友として;木喰仏との出会い;下手物の美;「民藝」の発見;民藝運動の展開;日本民藝運動の誕生;「手仕事の日本」発見;美の王国・沖縄;アイヌや台湾先住民の工芸;「信と美」を求めて)
第2章 民藝運動と近代工芸の巨匠(バーナード・リーチ;富本憲吉;河井寛次郎;濱田庄司;芹沢〓介;棟方志功;黒田辰秋)
著者等紹介
杉山享司[スギヤマタカシ]
1957年生まれ。日本民藝館学芸部長。専門は、近代工芸史(柳宗悦と民藝運動を中心に)、博物館学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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booklight
30
柳宗悦の復習。朝鮮陶磁器→木食仏→全国の手仕事という流れが面白い。白樺派の宗教哲学者がどのように民藝運動を率いたか、その時々のモノに出会ってその信と美を感じて行動していく様子や、リーチ、富本、河井、濱田、芹沢、棟方、黒田が集まってきてそれぞれ思いと、民藝という大きな流れとの関わりも興味深い。民藝と作家性という相反することも、柳の中では信と美、無有好醜、という理解の中では小さなことに過ぎず、富本は離れ、濱田は飲み込んでしまっているのも理解できた。矛盾を内包しつつも現代まで魅力が続いている。民藝も懐が深い。2023/01/29
ふう
9
民藝に関わる作家さんたちの良品をあかず眺めて楽しんだ。あちこちで見たものもあれば、芹沢銈介の伊曽保物語六曲屏風のように思いがけない色遣いでお初にお目にかかる素敵な作品もあり、また所縁の学芸員さんたちの、身内ならではの文章や写真にも出会えて嬉しく読んだ。静岡市立芹沢銈介美術館、東北福祉大学芹沢銈介美術工芸館。ともに近いうちに是非とも訪ねたい。2022/01/20
takakomama
5
様々な手仕事があります。柳宗悦は職人や朝鮮、アイヌ、沖縄の文化を見下さずに尊重しています。『白樺』の人々や河井寛次郎、濱田庄司、援助してくれる人などと出会い、民藝運動が広がっていきます。人の縁は不思議。2021/11/09
have a plan
1
世田谷美術館で開催中の「民藝展」を観てきたので興味が湧きました。新たな扉を開いたような気分です。2024/06/22
kaz
1
柳宗悦の経歴等については、最近テレビで紹介されたこともあり、概略知ってはいたが、丁寧な解説のおかげで、理解をより深めることができた。沖縄との結びつき等も面白い。図書館の内容紹介は『民藝論を提唱した思想家・柳宗悦の足跡を振り返りながら、各分野に展開された仕事やそこで出会った物や人を紹介。さらに、柳とともに民藝運動をおし進めた工芸作家たちの生涯と作品について解説する』。 2022/04/06