出版社内容情報
象徴派、デカダン派、印象派など多彩な顔を持つ世紀末ウィーン最大の画家クリムトの生涯を忠実にたどります。重要作品はクローズアップし、近年注目の叙情的な風景画や斬新な肖像画も数多く収録した充実の入門書。
千足 伸行[センゾク ノブユキ]
著・文・その他
目次
第1章 生い立ちからデビューまで(寓話;ブルク劇場装飾画より“タオルミーナの劇場”;愛 ほか)
第2章 黄金様式の時代(ユーディット1;金魚;ベートーベン・フリーズ;エミーリエ・フレーゲの肖像 ほか)
第3章 晩年の時代(乙女たち;アダムとイヴ)
著者等紹介
千足伸行[センゾクノブユキ]
1940年東京生まれ。美術史家。広島県立美術館館長。東京大学文学部卒業。TBS(東京放送)を経て、国立西洋美術館に勤務。1970~72年、西ドイツ(当時)政府給費留学生としてドイツに留学し、ミュンヘン大学で主にドイツ・ルネサンス美術を学ぶ。帰国後、西洋美術館主任研究官、成城大学文芸学部教授を歴任し、数多くの展覧会を監修。2015年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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藤月はな(灯れ松明の火)
96
恥ずかしながら、クリムトについては黄金期以前については何も知らない状況でした。そのため、この本でその時代の作品を見れて新鮮でした。それにしてもウィーン大学講堂の天井画は是非、見たかったのに!戦争め!!以前、NHKの新日曜美術館でクリムトが特集された時の感情を思い出さずにいられません。それにしても『希望Ⅰ』で妊婦の後ろで控える3人の女達は、『サスペリア』(ダリオ・アルジェント監督)シリーズの三人の母達みたい。そして『ベートーベン・フリーズ』第3の壁での歌う女性たちの服は音楽のリズムのよう。2019/05/03
ヒデミン@もも
37
クリムトの絵を初めて観たのは、豊田市美術館だったと思う。キラキラ眩しい作品に、また会えるかな。2019/03/10
punyon
32
彼の絵の金彩の上に施されたモザイク的な模様、シンボリックな抽象的記号パターン・・クリムトの絵が好きで嵌ったのではない、家業の漆芸品のデザインの参考にならないかと画集を眺めるうちに私の中に勝手に住みついた画家なのだ(笑) 私自身は表紙絵や『接吻』の様なキンキラした絵より『水蛇Ⅱ』『ダナエ』『乙女たち』のようなファム・ファタル的な絵が好き。前2作はどちらも個人蔵なので本物にお目にかかる事はできない。唯一プラハ美術館蔵の『乙女たち』は死ぬまでに本物を眺めてみたい!と言いつつ、結局画集で我慢なんだろうなぁ(笑) 2019/03/27
どぶねずみ
27
クリムト展を観に行くので、その予習として図書館から借りてみた。クリムトは生涯独身を貫いたようだが、女性関係は派手だったようで、子どもが14人いると言われている。自身の体験からか、官能的な描写や、子を思う母の絵が多い。2019/04/07
まげぽん
21
私はクリムトの接吻が大好きだ。学術的な解説を聞いたことがなく、レプリカしかみたことがないのになぜか惹かれている。首の角度、重ねられた手、表情など。細くクリムトの作品や来歴を解説した本著のお陰で納得がいった。黄金色の刹那的な美しい作品の他に、死やエロスを描いた作品があることも知った。いつか本物を観に行きたい。2020/08/25